『ウルフ・オブ・ウォールストリート』感想 大金持ちのハチャメチャ人生が面白い


『ウルフ・オブ・ウォールストリート』予告編映像

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作品情報

2013年アメリカ映画。(原題:The Wolf of Wall Street)
元株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録『ウォール街狂乱日記「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』の原作をマーティン・スコセッシ監督が映画化したコメディ伝記映画。ベルフォート役にレオナルド・ディカプリオ。共演ジョナ・ヒル、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー、カイル・チャンドラー、マシュー・マコノヒーなど。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』あらすじ

22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』感想(ネタバレあり)

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』はアメリカンドリームを体現した実在の人物ジョーダン・ベルフォートの破天荒すぎる半生を描いた伝記映画です。

初めてこの映画を観た時、クソ野郎のクソ映画だなと思いました。共感は一切なかった。そして数年たって現在観た時、違った視点で見れるようになった。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は人生の教訓映画だ、と。

しかしそれを押し付けるような感じは全くない。自分で気づかなければ見逃してしまう軽快さで映画は展開される。

ジョーダンは実力でのし上がった男。初めはペニー株のブローカーとしてクズ株を、その巧みな話術で売りつけ儲けて、次に自分で会社を設立し、ターゲットを富裕層へと移し、巨万の富を得て億万長者となります。

彼が儲けた方法は、証券詐欺です。要するに人々を騙して、どんな株でも売りつける。ただの詐欺師というよりは、彼は卓越したセールスマンだったと思います。マイクパフォーマンスで社員のやる気を煽る、モチベーターの面もありました。

その私生活は酒池肉林を地で行く、ハチャメチャな豪遊ぶり。ドラッグ&セックス中毒を自分で認めています。ラリッたまま会議したり、会社内でも乱交パーティーが繰り広げられ、下品極まりないシーンが盛りだくさん。

往年のマーティン・スコセッシを思わせる軽快なリズムで映画は展開するので、観ていて嫌な感じはしなく、コメディみたいで笑えてしまいます。こんなこと実際にやってたんですね。

ベルフォートはイカれた下品な男です。でも、ディカプリオの好演のせいで、どこか憎めない男にも見えてしまう。レオ様の演技は圧巻ですわ。特に、ドラッグをキメすぎて身体が脳障害のように動かなくなるシーンはゲラゲラと笑ってしまった。ナメクジみたいに地を這っています。

しかしいよいよ、破滅の音が聞こえてくる。彼はFBIに追い詰められていきます。

そんなある日、彼の船がイタリアの海で沈んだ時、彼が乗るはずだった飛行機も墜落してしまう。九死に一生を得た彼は、神のお告げを聞いた。もう潮時だ。

彼は業界から身を引いたが、逮捕される。

そして「グッドフェローズ」のように、司法取引により仲間を全部売り、3年の実刑。「いつか報いが来るぞ」と言っていた親父さんの言葉通りになった。

ジョーダンが成功真っただ中、FBI捜査官を見下して言った。
「地下鉄でみじめな女房の待つ家に帰れ」

毎日地下鉄に揺られながら職場に向かう、決して良いとは言えない給料の捜査官。しかし大金持ちは、真っ当に生きる捜査官に逮捕された。ジョーダン有罪判決の新聞を読みながら、地下鉄に揺られる捜査官のシーンが印象的でした。

ラストでは、講壇に立ちセールスを教える彼の姿があった。余談ですが、ベルフォートは現在は講演などをして食べているようです。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は一人の男の栄光と破滅を描いた傑作でした。

スコセッシのパワーが復活したような活力みなぎる作品でした。70歳でこんな作品を撮れるのってほんとにすごいと思う。周りにいますか?そんなじいさん笑。

ハチャメチャすぎる男の半生を観て、是非何かを学んでほしいと思います。

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