『THE GUILTY/ギルティ』ネタバレあらすじ感想 デンマーク旅行の気分になれる?


『THE GUILTY/ギルティ』予告編

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作品情報

2018年デンマーク映画(原題:Den skyldige)。
サンダンス映画祭観客賞を受賞し、第91回アカデミー外国語映画賞にもデンマーク代表作として選出されたグスタフ・モーラー監督・脚本によるシチュエーションスリラー映画。

出演ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセン、オマール・シャガウィー。

感想評価

デンマーク発の映画『THE GUILTY/ギルティ』は、緊急指令室(日本で言う119番)を舞台に
オペレーターが誘拐事件を解決するために四苦八苦する様を描いた新感覚シチュエーションスリラーです。

全編、緊急指令室のみで物語が展開され、ほぼ主人公の顔のアップと電話の会話のみです笑。そんなユニークな映画ですが、サンダンス映画祭観客賞をはじめ数々の映画賞を受賞し評価が高く、早くもジェイク・ギレンホール主演によるハリウッドリメイクも決定している話題作であります。

監督は本作が長編デビューのグスタフ・モーラー。デビュー作にして一気にスターダムに駆け上がったデンマークを代表する新鋭監督です。

本作のプロデューサー、撮影、編集などのスタッフも皆、監督と同じデンマーク国立映画学校出身の仲間だそうですよ。同じ志をもった気心の知れた仲間と共に映画が作れて、しかもヒットしちゃうなんて最高ですよね。

「犯人は音の中に潜んでる」というキャッチコピーどおり、本作では音がとても重要な役割を果たします。なので、劇中で使われるサウンドデザイン(雨やドアの音など)にはかなりの時間と労力を注ぎ込みました。

また、声のみの出演者にはブラインドオーディションを行い、監督は名前も外見も知らすに役者の音声だけを聞いて配役するという異例な方法を採用しています。

そういった製作者の数々の努力によって『THE GUILTY/ギルティ』は、緊迫感がドッとあふれる完成度の高い作品となっています。

感想としては上映時間も88分と短いのでとても見やすく、画面というより音に釘づけになり、
集中が途切れずにあっという間に終わった感じです。気軽にドキドキして楽しめるスリラーが見たい方にはうってつけの作品だと思います。

画面は緊急指令室のみなので単調ですが、観客は音によって状況を想像しなければならないので、画面よりも自分の頭の中で映像を作り出していきます。

それが『THE GUILTY/ギルティ』の肝です。

グスタフ・モーラー監督が「音と想像力だけでデンマーク各地に行った気分になれるような作品」と語った通り、観客は音を頼りにデンマークの街並みや住民の様子をイマジネーションします。

皆さんにとってデンマークはどんなところでしょうか?

デンマークなんて行ったこともないのに想像なんて出来ないよ!と言う方もいるかもしれませんが、心配する必要はありません。なぜなら『THE GUILTY/ギルティ』を見ると不思議にデンマークの風景を想像できてしまうからです。それがこの映画の凄いところだと思います。

さて、ここからはそんな映画『THE GUILTY/ギルティ』のあらすじを結末(ネタバレ)まで解説していき、映画をより深く掘り下げていきたいと思います!



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あらすじ

エマージェンシーコール

デンマークの緊急指令室に勤務するアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、今日も市民からの緊急通報を受けていた。時には酔っ払いの相手もしなければならない仕事だ。

本来は外勤の警官だったアスガーだが、ある事件を起こし、電話番に異動させられていた。

もう夜も深まろうとしていた頃、アスガーはイーベン(イェシカ・ディナウエ)という女性からの通報を受ける。彼女は車中からかけていると言い、他に男が同乗しているようだった。

彼女の怯えた声を察知したアスガーが、もしかして拉致されているのかと尋ねると、イーベンは「はい」と答えた。

イーベンを乗せた車は高速道路をコペンハーゲンの北へと向かっていた。アスガーは早速、パトカーをそっち方面へ出動させるよう要請する。

そして白いバンの車であることをイーベンから聞き出すが、そこで電話は途切れた。

アスガーは、これは誘拐事件に違いないと確信する。

その後、ハイウェイパトカーが該当車を高速道路上で見つけるが、人違いだった。

誘拐事件の真相

困ったアスガーは情報を元にイーベンの家に電話をかける。そこにはイーベンの娘であるマチルダという6歳の子がいた。

マチルダいわく、パパが怒ってナイフを出しママを連れ去ったと言う。

マチルダの両親は離婚していた。

アスガーはマチルダから父親ミケル(ヨハン・オルセン)の情報を聞き、家の住所と車のナンバーを割り出した。

泣き出すマチルダにアスガーは「俺がママを必ず守る」と約束し、警官を家に送ると伝える。

そして通信室にミゲルの車のナンバーを伝え、パトカーに追跡させるように指示した。

さらに元上司に電話し状況を話すが、首を突っ込まずに明日の裁判に備えろと諭されてしまう。

しかし正義心に燃えるアスガーは、誘拐犯であるミケルの携帯電話に直接かけてしまった。

アスガーは自分は警察だと言い、ミケルに妻の誘拐の事を問い詰めるが、電話を切られる。

続いてアスガーは同僚のアシッドに連絡を取り、ミケルの家を捜索するよう助力を求めた。

そうこうするうちに、警察がイーベンの家に到着した。警察が家の中を調べると、マチルダの弟のオリバーが殺されているのを発見する。

顔面蒼白のアスガーは、すぐにイーベンの携帯に電話する。

彼女と電話が繋がると、シートベルトを装着しサイドブレーキを思いっきり引けと言った。イーベンは言う通りにし、車のブレーキ音が聞こえ、そこで電話が切れる。

再びイーベンと繋がると、彼女はバンの後方に閉じ込められていた。

アスガーが彼女を落ち着かせつつ話を聞いていると、衝撃の事実が明かされる。

それは、赤ん坊を手にかけたのはイーベンのほうだった。

言葉を失うアスガーをよそに、イーベンはレンガでミケルを殴り、逃走した。



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ラスト結末

イーベンとの電話が途絶えた後、アシッドから連絡が入る。そしてミケルの家の書類から、イーベンが精神科に入院していたことを知らされる。

それらを元に、ミケルはイーベンを精神科センターに送るため車を走らせていたのが分かった。

アスガーがミケルにかけると、気を失っていたミケルが電話にでる。

なぜ警察に保護を頼まなかったのか?とアスガーが尋ねると、ミケルは「医者、弁護士、自治体、今まで誰も助けてくれなかったじゃないか!」と叫び返した。

アスガーが何も言えないでいると電話は切れた。そして再びアシッドから連絡が入る。アスガーはアシッドに帰宅するように告げ、加えて、明日の裁判で俺のために嘘をつかないで良い
と言った。

アシッドとの話を終えると、今度はイーベンから連絡が来る。イーベンは交差橋の上から飛び降りようとしていた。

アスガーはイーベンを説得するように、自分もある少年を正当防衛で撃ち殺したことを告白する。そして「君には愛する人たちが待っている」と諭すが、イーベンは「あなた良い人ね」と告げ、橋から飛び降りた。

その後、通信室に連絡するとイーベンが無事保護されたという報告を受ける。

ホッと胸をなでおろしたアスガーがようやく帰ろうとすると、外はすっかり夜が明けていた。

まとめ

『THE GUILTY/ギルティ』は電話の向こうの音を頼りに想像力を働かせ、自分の頭の中で映像を作り出していく新感覚の映画でした。

音ってこんなにも想像力を働かせるものなんだという新しい気づき。

イーベンはあなたにとってどんな感じの人でしたか?
容姿は?年齢は?髪型は?

それこそ観客一人ひとりの頭の数だけ、イーベン像が存在します。

そういうわけで、映像はスクリーン上だけでなく観客の頭の中にも存在するという、新しい映画の形を提示した作品であると思います。

極端に言ってしまえば、真っ白のスクリーンに音だけでも映画は作れてしまうということです。そんな映画は誰も見たくないと思いますが笑。

ただ、これから先の新しい映画作りにヒントを与えてくれた、そんな作品であると思いました。

本作におけるデンマーク旅行はいかがでしたでしょうか。

以上、観客がイマジネーションを試される映画『THE GUILTY/ギルティ』でした!

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