『シークレット ウインドウ』ネタバレ考察感想 結末の人格は誰か?


『シークレット ウインドウ』予告動画

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『シークレット ウインドウ』作品情報

2004年アメリカ映画(原題:Secret Window)。
スティーヴン・キングの小説『秘密の窓、秘密の庭』を『スパイダーマン』などの脚本家で知られるデヴィッド・コープが監督したスリラー映画。出演ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロ、ティモシー・ハットン、マリア・ベロ、チャールズ・S・ダットン。

『シークレット ウインドウ』あらすじ

妻と別れ湖畔の家に一人で暮らす人気作家モート・レイニー(ジョニー・デップ)の元にある日、小説を盗作されたと訴えるジョン・シューター(ジョン・タトゥーロ)と名乗る謎の男が現れた。はじめは相手にしていなかったモートだが、執拗に脅迫を繰り返すシューターの行動に次第に恐怖を感じていく…。

『シークレット ウインドウ』感想評価

『シークレット ウインドウ』はスティーヴン・キング原作のサイコスリラーです。人気小説家が謎の男に小説を盗作されたと言いがかりをつけられ、脅迫されていく様を描いています。

人気作家をジョニー・デップが演じていて、小屋に住む孤独な作家っぽい雰囲気がかなり様になっています。小説家が主人公なんてまるで『ミザリー』みたいですよね。

この映画は湖畔のログハウスの景観が結構良い感じです。スティーヴン・キングもあんな別荘で小説を書いているのでしょうか。ちなみに劇中で鏡に後姿が映るシーンは、シュルレアリスムの画家ルネ・マグリットの絵を真似しています。

スティーヴン・キングの作品はかなり当たり外れがあって、なんじゃこりゃっていう駄作も結構ありますが、『シークレット ウインドウ』はまさに、なんじゃこりゃっていう感想の映画です。アメリカでの評価も低いですし、そもそも本作を知っている人自体が少ないと思います。

途中まではミステリーな雰囲気プンプンで結構楽しめるのですが、ラストで一気に興ざめしちゃうパターンです。何故そうなるかというと、ラストに繋がる伏線が練られた感じが全くなく中途半端だからです。

まあ適度に楽しめるけど、しばらくすれば内容を忘れちゃう部類の映画です。そういえばジョニー・デップも同じく、当たり外れの差が激しい俳優な気がします。

そういうわけで、『シークレット ウインドウ』は観賞後にも多少の疑問が残ると思いますので、ここからは疑問の解説と考察(ネタバレ)をしていきましょう。



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ネタバレ考察と解説

何についての映画?

『シークレット ウインドウ』は多重人格者の話です。物語を通して、浮気をし離婚したがっている妻を憎んでいる主人公モートが殺害を実行するまでを描いています。

いわゆる、ミステリーのお決まりのパターンになってきた「犯人、オレ」です。ただそれだけの話なのに多重人格が絡んでくるので、少しややこしくなっています。

ちなみに、オープニング以降何度か妻エイミーがモートに電話をしていますが、あれは優しく心配しているのではなく、さっさと離婚の判を押してほしいからです。

ジョン・シューターは何者か?

シューターはモートの妻に対する憎しみが創りだしたもう一人の人格。だからシューターは「憎しみ」です。小説の結末を変更する目的(=妻を殺害)の為だけに存在するので、役目を終えれば消えると言っています。

モートが書いた小説「秘密の窓」の主人公はトミーであり、シューターが書いた主人公はトッドです。ラストでは小説は書き換えられ、きちんとトッドが主人公になっています。

シューターが家を燃やしたのは何故?

シューターがエイミーの家(元モートの家)を燃やしたのは、証拠となる「エラリークイーンマガジン」が家にあったからです。

1997年以前に小説が書かれたという証拠が出てきたら、シューターという人格は目的を達成する前に消えてしまうので。

歯を矯正していたのはなぜ?

ラストに映るモートが歯に矯正具を入れていたのは、エイミーと揉み合っていた際、口を蹴られたからです。

最後の人格は誰か?

映画の結末の人格は、果たしてモートか?シューターか?で意見が分かれるところです。

さて、どっちの人格かと言うと、どちらでもありません。多分最後の人格は、モートでもシューターでもなく、第三の人格だと思われます。

その根拠はまず、外見が前の二人と違うことです。髪型も整え服装もオシャレで丸メガネをかけています。モートは髪もボサボサで服装もラフだし、シューターは黒い帽子をかぶっています。

またモートはスナックと炭酸が好きで、シューターはウイスキーが好きですが、最後の人格にはそういう気配がありません。以前はなかったダンベルとヘッドフォンがあるのもおかしいです。

何しろシューターがモートは死んだと言っているし、シューターは役目を終え消えるはずですから、第三の人格が出てきても不思議ではありません。

ラストのトウモロコシをバックにしたセリフ「彼女の死はおれにさえも謎になるだろう」は、殺害を知らない新しい人格の視点では全くその通りです。第三の人格が「この結末は最高だ」と言っているのも、以前の記憶がないので「おれさえも謎になる」は最高の結末となります。

以上、多重人格者の物語が映画『シークレット ウインドウ』でした。原作本と結末がだいぶ違うので是非読み比べてみてはいかがでしょうか!

スティーヴン・キング原作映画

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