『ドント・ブリーズ』ネタバレ感想評価 ホラー映画の傑作を解説!


映画『ドントブリーズ』予告動画

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『ドント・ブリーズ』作品情報

2016年アメリカ映画(原題:Don’t Breathe)
サム・ライミ製作、フェデ・アルバレス監督による、強盗に入った若者3人が盲目の家主から思わぬ反撃に遭う恐怖を描くホラースリラー。低予算の製作費ながら興行収入で全米大ヒットを飛ばした。キャストにジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット、スティーヴン・ラング。

『ドント・ブリーズ』あらすじ

舞台はデトロイト。街を出るための資金が必要なロッキー(ジェーン・レヴィ)は、恋人マニー(ダニエル・ゾヴァット)、友人アレックス(ディラン・ミネット)と共に、大金を持っているという噂の目の見えない老人の家に忍び込む。だが、老人(スティーヴン・ラング)は、驚異的な聴覚を武器に彼らを追い詰める。明かりを消され屋敷に閉じ込められた若者たちは、息を殺して脱出を図るが…。

『ドント・ブリーズ』ネタバレ感想評価と解説

前半は感想と評価。後半にネタバレ解説を含みます。

ドント・ブリーズ』は20年に1本の恐怖というキャッチフレーズなんですけど、そんなに恐くないので観てない人は安心してご覧ください。お化けとか幽霊とかは出てきません。あ~どうなるんだろう、あ~逃げなくちゃ、とかドキドキする系の怖さです。

映画の出来としてはすごく良くて、単純に観るがまま楽しめる映画です。見せ方が上手なのでとても面白いです。「ドント・ブリーズ」は、息するなという意味ですが、そんな息もできないような極限の緊張状態を味わえます。

舞台のデトロイトは、かつて自動車産業の中心地として繁栄していた街ですが、自動車産業の衰退とともに財政破綻し、現在はゴーストタウン化しています。ダウンタウンの方はまだ栄えているんですが、ちょっとはずれると廃墟が多く見受けられます。

『ドント・ブリーズ』でも廃墟を映してますが、あんな感じでリアルゴーストタウンですね。犯罪率も非常に高く、映画の主人公たちのような犯罪が横行していると思われます。だから設定としては非常にリアルですね。

そんな街から逃げ出したいと思っているのが主人公のロッキーです。母親は育児放棄し、街はゴーストタウン化し、失業者と犯罪であふれている。そりゃ逃げ出したいです。でもお金がないから犯罪をするしかないんですね。デトロイトにはこういった悪循環があるわけです。

そういう背景を持った3人は、慰謝料でたんまりとお金を持っている盲目の老人の家に忍び込むことになるんですが、そこが恐怖のホラーハウスでした。

映画のお決まりのパターンとして、真面目で冴えない坊やが憧れている女性の彼氏って、だいたいチャラくて悪い感じの男ですよね。チャラくてチョイ悪は世界共通でモテるんですね笑。この映画だと真面目なアレックスに、可愛いヒロインのロッキーに、その恋人マニー。まあ、そんなことはどうでもいいのです。

問題なのは家の主の盲目の爺さんです。3人は早いとこお金盗んで家からズラかりたいのですが、爺さんに邪魔されてなかなか出れないのです。

この老人は元軍人で筋肉ムキムキで強いんです。目が見えないけど聴覚が優れているので音で察知し、ロッキーたちを逆に追い詰めていくという可笑しさ。この緊迫感が『ドント・ブリーズ』の醍醐味です。



映画の紹介では、驚異的な聴覚とあったのですが、実はそうでもないですね。普通目の前に人がいたら目が見えなくても匂いや気配で分かったりするのですが、その辺は鈍感です。ロッキーたちが目の前にいても分からなかったりします。

どっちかというと爺さんが凄いっていうより、ロッキー達の自滅感のほうが強いと思いました。

確かに爺さんは異常で変態なのですが、彼のスタンスは一貫していて、悪いことした奴に報いるっていうスタンスです。ですから家に押し入ってきた強盗を退治するという当たり前のことをしているだけで、純粋悪ではないんですね。

ただ絶対的に無慈悲ではあります。女性を監禁していたのも、同じ報いを受けさせるというスタンスですね。

その爺さんとの家の中での格闘や揉み合いが繰り広げられます。早く家から出たいんですけど、本当になかなか出られない。あまりにも出られないのですごくヤキモキします。

本当は強盗をするロッキーたちが悪いんですが、観客はいつの間にか彼女たちを応援するという心理になります。この映画は人の善悪の判断は相対的であるということも表現していると思います。

ロッキーたちよりも爺さんのほうがサイコで変態なので、ロッキー達が良い人に見えてしまうというパラドックス。それが『ドント・ブリーズ』をより面白くしているんじゃないでしょうか。

ラストで爺さんが「盗まれたものはない」とTVで言っているのは、盗まれたと言うと自分の犯罪がばれてしまうので隠したのと同時に、ロッキーから金を取り返し報いを受けさせるという意味が含まれると思います。彼のスタンスと執念は半端じゃないので。

そういったことで続編につながりそうな結末なので、続編やるんじゃないでしょうか。

『ドント・ブリーズ』は密室中心に話しが展開するので、観客は早くここから出たいっていう主人公たちと同じ精神状態になることで緊張感や緊迫感、ドキドキしたスリルを味わえる非常に面白い作品でした。続編にも期待しましょう!

『ドントブリーズ』ブルーレイ

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