『ゲット・アウト』ネタバレ感想解説 人種差別問題とホラーの融合


『ゲット・アウト』予告動画

スポンサーリンク

『ゲット・アウト』作品情報

2017年アメリカ映画(原題:Get Out)
「パラノーマル・アクティビティ」「ヴィジット」のジェイソン・ブラム製作のホラー映画。
人気コメディアンのジョーダン・ピールが初監督し、全米初登場No.1を記録。興行収入2億5200万ドル超のスマッシュヒットとなった。主演は「キックアス2」「ボーダーライン」のダニエル・カルーヤ。彼女役にテレビシリーズ『GIRLS/ガールズ』のアリソン・ウィリアムズ。他キャストにキャサリン・キーナー、ブラッドリー・ウィットフォード、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、キース・スタンフィールド。

『ゲット・アウト』あらすじ

ニューヨークで写真家として活動している黒人のクリス(ダニエル・カルーヤ)は、週末に恋人の白人女性ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招かれる。歓待を受けるが、黒人の使用人がいることや彼らの振る舞いに違和感を覚える。翌日、パーティーに出席した彼は白人ばかりの中で唯一の黒人を見つける。古風な格好をした彼を撮影すると、彼は鼻血を出しながら、すさまじい勢いでクリスに詰め寄り「ゲットアウト」と叫んだ…。

『ゲット・アウト』感想レビュー・評価・解説・ネタバレ少し

人種差別問題とホラーを見事に融合させ、アメリカの映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で99%の高評価を叩き出したスマッシュヒット・ホラー『ゲット・アウト』を観ました。

アメリカではかなり評判が良かったみたいですね。やはり人種問題が絡んでるからでしょうか。この映画に関していえば、それだけではないと思います。

正直言って、なかなか面白かったです!グロいホラーではなく、精神的なホラーなんですけど、映画として単純に出来が良い。

人種問題を扱っているとはいえ、決して難しくなく分かりやすい!

監督のジョーダン・ピールは新鮮な切り口で人種差別問題を扱っていて、センスが抜群だなと思いました。さすがコメディ畑出身ということで、かなり皮肉たっぷりでブラックユーモアがあります。

「ゲットアウト」の意味はもちろん、「出ていけ」という意味ですが、タイトルにしたという事は色々な意味を含んでいると勝手に想像しました。観賞後の感想として、レイシストに対しての「ゲットアウト!」という解釈も含んでいるのでは。

物語は、白人の恋人を持つ黒人男性のクリスが、恋人の実家に招かれるというところから始まります。クリスは恋人のローズに「両親に俺が黒人だってことちゃんと言ってる?」と心配するんですね。

冒頭からいきなりアメリカの根深い問題が、さらっと会話で出て来るとこが、日本人にとっては文化の違いとアメリカ社会の現実に直面するところかもしれません。

映画は前半から伏線が随所に張られていて、ちょっとドキドキしながら見ちゃいました。何が起こるんだろう、どう繋がっていくんだろうって。主人公とともに「何かがおかしい」って感覚を味わえる。

恋人の家族やパーティーの白人たち、そして黒人の使用人たち。「何かがおかしい」じゃなくて「だいぶおかしい」んですけどね。

このへんの演出の仕方は、M・ナイト・シャマランっぽくて上手でした。観終わったあとで知りましたが製作陣が同じなんですね。

それにしても恋人役のアリソン・ウィリアムズですが、ジェニファー・コネリーかと思いました。若い頃のジェニファー・コネリーそっくりでビックリしました。



スポンサーリンク

この映画の肝は、なんと言っても催眠術なんじゃないでしょうか。

催眠術をホラーに上手く取り込んで、新しいなぁと思いました。いつ催眠状態に陥るか分からない怖さを、観客はクリスと一緒になって体感できます。

紅茶をスプーンでクルクル回すのは、あれ催眠術でよくやる手なんですよね。変性意識(トランス状態)へ誘導する手段です。メトロノームだったり、指だったり、催眠術師によって方法は異なりますが。なるほどこういう風に催眠を映画に取り入れたか、と感心しました。

クリスが催眠によって深層に落ちていく映像は、『トレインスポッティング』のユアン・マクレガーのトリップ状態と似てますね。海の奥底へと深~く沈んでいくようなあの感じは、結構恐怖を覚えます。

そして物語は、あっと驚く衝撃の結末へと進んで行きます。

ということでこの映画、ホラーと思いきや実は、
白人富裕層を痛烈に風刺した“痛快風刺スリラーコメディ”と言いたいです。

新しいジャンル映画だ!と、個人的には思っています。

監督デビューにして、緻密に計算された舌を巻く演出と脚本を書いたジョーダン・ピールの今後に要注目したいと思います!評価は70点。

他のジェイソン・ブラム製作作品はこちら

映画『スプリット』予告編動画 【作品情報】 2016年アメリカ映画。(原題:Split) 『シックスセンス』のM・ナイト・シャマラ...
映画『ヴィジット』ネタバレ感想評価。ナイト・シャマランが自費で作ったホラー。
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

関連記事