「ユージュアル・サスペクツ」で助演男優賞、「アメリカン・ビューティー」で主演男優賞など、アカデミー賞で2度もオスカーを獲得している米人気俳優ケヴィン・スペイシーが、米俳優アンソニー・ラップのセクハラ告発を受け、ツイッター上で謝罪し、自身がゲイであることもカミングアウトしました。
事の発端はアンソニー・ラップが、米Buzfeedのインタビュー記事で、セクハラ被害を告発したことによります。
アンソニー・ラップ(46)は、テレビ「スタートレック:ディスカバリー」や映画「RENT/レント」に出演していることで知られている俳優です。
彼がまだ14歳の子役だったとき、当時26歳のケビン・スペイシーの自宅パーティーへ招かれました。
気がつくと他の客はいなくなっていて、ベッドの端に座っていたそうです。すると酔ったスペイシーが寝室に入ってきて、そのまま抱きかかえられて、ベッドの上に押し倒されそうになりました。彼は拒否し、バスルームに逃れて帰宅しました。
「最悪な恐ろしいことが起こらずに非常にラッキーだった」と語っています。
その少年時代の経験がトラウマとなり、今でもケヴィン・スペイシーを見ると気分が悪くなるそうです。
このことを公表したのは、性的被害者たちの告発が次々と広がっているのを見て、自身も体験を語るべきと思ったという。そして世界が少しでも変わるようにと。
その記事が拡散されたことを受け、ケヴィンはツイッター上に謝罪文を掲載しました。
「わたしはアンソニー・ラップへの大いなる尊敬と称賛を抱いています。彼の話を聞いて非常に驚きました。正直に言うと、30年以上も前のことなので当時のことを覚えていません。しかし、もしもわたしが彼に対してそのような行動を取っていたならば、心から謝罪をしたいと思います。長年不快な思いを抱かせてしまったことを謝ります」
さらに、
「私と親しい人間なら知っていることですが、私は女性とも男性とも付き合ってきました。
男性とのロマンティックな出会いや愛が、私の人生にはありました。そして今、ゲイとして生きることを選びます。これからは正直にオープンにしていきたい。また自分の振る舞いを改めていきたい」
と初めて正式にゲイであることをカミングアウトしました。
これに対し世間では、
「話題をそらそうとしている」「話をすり替えている」など非難のコメントが次々とあがっています。
ケヴィン・スペイシーには長年ゲイ疑惑がありました。色々なインタビューでも本人はずっと否定していて、今回の件でようやく勇気を振り絞って告白したと思いますが、逆効果になってしまったことは、ちょっと可哀想な気もします。
しかしアメリカという国は、少女だけではなく、少年も性的被害にあうことが少なくありません。映画「スタンド・バイ・ミー」の子役で有名だったコリー・フェルドマンも、業界内における自身の性的被害の体験を実名告白しようと準備しているようです。
今後ますます、大物の名前が挙がってくるかもしれません。