米ニューヨーク・タイムズが暴露したハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインのセクハラ騒動が波紋を広げ、アメリカでは今、ツイッターによる「#MeToo」というハッシュタグが拡散され、セクハラ被害女性たちのツイートでの告発が相次いでおり、大きな社会現象となっています。
そこへきて、今度はロサンゼルス・タイムズが「バグジー」の脚本家でもあり映画監督のジェームズ・トバックによるセクハラ行為の暴露記事を掲載しました。
性的被害を受けたのは女優のたまごや、大学生や高校生のティーンを含む少なくとも38人。その後の報道では200人超にのぼるということです。
被害女性たちの証言によると、トバック監督はニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークなどで気に入った女性に声をかけアプローチ。
知名度が低いため、自身の監督した作品名や米俳優ウォーレン・ベイティやロバート・ダウニーJrの名前を出し信用させ、「自分の映画に出してあげるからオーディションをしよう」と言って、自宅やホテルの部屋に誘うという手口。そこで卑猥な質問をしたり、被害女性に自慰行為を見せつけたりしていたと報じられています。
ジェームズ・トバックは取材に対し、被害女性たちには「会ったこともないし、もし会ったことがあるとしても5分程度会話しただけ」と否定しています。
さらには「スポットライト」の米女優レイチェル・マクアダムス、「ヘルボーイ」のセルマ・ブレア、米ロック歌手のルイーズ・ポストやNBCのニュース情報番組の司会者ナタリー・モラールズも同様の被害を訴えています。
驚いたのはアカデミー主演女優賞のオスカー女優ジュリアン・ムーア。
彼女も1980年代にトバック監督から声をかけられ、「オーディションを受けさせてあげる」と自宅に誘われたことをツイートしました。しかも全く同じ誘い文句で2度も誘われたということです。ジュリアン・ムーアはもちろん断りました。
このように、ハリウッド有力者たちの権威を利用したセクシャルハラスメント行為が次々と暴かれています。このような行為をしているのは一人や二人じゃないでしょう。ハリウッドに根付く伝統的なシステムに大きな問題があるようです。
そんな中、ハリウッドセクハラ問題を映画化しようとする動きも出ています。
アメリカの大学構内で多発するレイプ事件に迫ったドキュメンタリー『ハンティング・グラウンド』で有名なカービー・ディック監督は、ハリウッドのセクハラ問題に切り込む作品を製作することを発表しました。
この問題はさらに波紋を広げ、拡大していく勢いです。
ワインスタインやトバックだけでは終わらないでしょう。