『オーシャンズ8』ネタバレあらすじ解説と評価 オール女性キャストのドリームチーム!


『オーシャンズ8』予告動画

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作品情報

2018年アメリカ映画(原題:Ocean’s Eight)。
『オーシャンズ』シリーズをオール女性キャストで新生したクライムコメディ。『オーシャンズ13』の続編。

製作スティーブン・ソダーバーグ、ジョージ・クルーニー、監督・脚本ゲイリー・ロス、共同脚本オリビア・ミルチ、衣装サラ・エドワーズ。

出演サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム=カーター、ミンディ・カリング、リアーナ、サラ・ポールソン、オークワフィナ、リチャード・アーミティッジ、ジェームズ・コーデン、ダコタ・ファニング、エリオット・グールド他。

感想評価

『オーシャンズ8』は人気映画『オーシャンズ』シリーズをオール女性キャストでリブートしたクライムコメディです。

シリーズの主役ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンの妹が今作の主人公となっており、時系列では『オーシャンズ13』の続編となります。

興行成績は全世界で2億8千万ドル以上を稼ぎだし、大ヒットしました。

『オーシャンズ8』はなんと言ってもキャストが豪華すぎる!

主要キャストの面々は勿論のこと、「ヴォーグ」の編集長アナ・ウィンター(『プラダを着た悪魔』のモデル)やスーパーモデル達、テニス界からはマリア・シャラポワ、セリーナ・ウィリアムズなどカメオ出演も沢山。裏話として、マット・デイモンも参加していたのですが、残念ながら本編では出演シーンは全部カットされています笑。

劇中での盗みの舞台となった「METガラ」は毎年5月にメトロポリタン美術館で開催される
世界最大のファッションの祭典です。撮影は実際にNYのメトロポリタン美術館で行われました。宣伝になるということで『オーシャンズ8』のような泥棒映画にも全面協力してくれたのでしょうかね笑。

今回、盗みのターゲットとなったカルティエのネックレス「トゥーサン」は、カルティエのジュエリー・ディレクターだったジャンヌ・トゥーサンが名前の由来となっています。ジャンヌは恋人だったルイ・カルティエに抜擢され1933年から1968年まで「Haute Joaillerie」のディレクターを務めた人物。

こうして社会的に活躍した女性の名を宝石に冠したということは、今作が女性賛歌の映画である事をさらに強調していますね。

「トゥーサン」のデザインは1931年にジャック・カルティエがインドのマハラジャのために作った、実在したダイヤモンドネックレスが元になっています。そのネックレスは紛失して現存していないので、残っていた設計図を元に「トゥーサン」は復元されました。まさに幻のネックレスです。

そんな映画『オーシャンズ8』の感想ですが、普通に面白かったです!世間的な評価はあまり高くないようですが、個人的には結構楽しめたなという評価。

オーシャンズの軽いノリがそのまま引き継がれていて、最後までワクワクしちゃいました。各キャラクターも個性的で被っていなかったので、それぞれが良い味を出していたと思います。人数が多いとどうしても、このキャラ必要?ってやつ出てきますからね。

また、ちょっとしたサプライズをラストに持ってくるあたりも、オーシャンズらしくて気分が上がりました。

こんなの、何も考えずに週末に鑑賞するには、もってこいの映画じゃないですか笑。ケイト・ブランシェットもめちゃくちゃカッコいいし。

今回ストーリーが物足りないと感じた人は、ライバルとなる敵役がいないからそう感じたと思います。最大の障壁が存在しないので、盗みがスムーズに進んで、あっけないと感じたんじゃないですか?

個人的にはストレスフリーで心地良かったです。流れの良い場面で敵役が邪魔してくるのって結構ストレスなんですよ笑。

だってこんな軽いノリの映画で、最後に成功するのが分かってるのに敵が邪魔してくると、そういうのいいから!って思っちゃうんです。

まあひとつ言えるのは、金持ちがさらに大金持ちになっただけなので、まるで共感できないところでしょうか笑。

一発逆転サクセスストーリーみたいな感動も勿論ありません。泥棒チームにはみすぼらしさが全然ないので、危険を冒す説得力は皆無です笑。

オーシャンズ・シリーズは基本的にそういうノリなので、気楽に楽しめるオシャレ・エンタメ娯楽作ということで宜しいでしょうか。

今作は特に、数々の有名ブランドが協力したファッションが見所ですからね。ブランドの宣伝も兼ねたエンタメ映画ですよ。

そういうわけで、ここからは『オーシャンズ8』の個性豊かなキャラクター紹介とあらすじを結末まで解説していきましょう!ダニーは本当に死んだ?

※ここからネタバレとなります。



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キャラクター紹介

デビー・オーシャン

©Warner Bros.

演:サンドラ・ブロック。
ダニー・オーシャンの妹。窃盗チームのリーダーであり司令塔。元恋人のクロード・ベッカー(リチャード・アーミテージ)に嵌められ、約5年刑務所に服役。刑務所内で着々と強盗計画と復讐計画を練っていた笑。

出所後は直ぐにデパートの化粧品売り場で詐欺を行い、高級ホテルで無銭宿泊をするという根っからの詐欺師。性格は冷静沈着で賢い。トラブルに振り回されず黙々と計画を実行するメンタル面の強さもある。

メットガラで着用したドレスはアルベルタ・フェレッティ。

ちなみにデビーがドイツ語を話すシーンがありますが、サンドラ・ブロックは母親がドイツ人で幼い頃ドイツに住んでいたのでドイツ語はペラペラです。

ルー・ミラー

©Warner Bros.

演:ケイト・ブランシェット。
デビーの信頼する相棒、右腕。立ち位置的には前シリーズのラスティ(ブラッド・ピット)の位置。ウォッカを薄めて売るナイトクラブを経営している。

人脈を生かしてメンバーをスカウトしたり、デビーを諭したり、チームのバランスを支える大黒柱。クールな美貌と格好良すぎるカウガール的オシャレなファッションで男だけじゃなく女心をも鷲掴みにする笑。

メットガラで着用したドレスはジバンシィ。

ダフネ・クルーガー

©Warner Bros.

演:アン・ハサウェイ。
メットガラでターゲットとなる宝石「トゥーサン」を身に着けるハリウッド女優。若手女優への対抗心から、まんまとローズを自身のデザイナーに指名する。

一見、能天気なぶりっ子でお姫様気取りのキャラだが、実は犯罪計画を見抜く勘の鋭さがある。女優ではなく本当は監督をしたい夢があった。

メットガラでのドレスはヴァレンティノ。

アン・ハサウェイは『オーシャンズ』の大ファンで、オファー前は『オーシャンズ8』に出れる女優に嫉妬していたそうです。でも自分が決まって大歓喜。嬉しくて仕方なかったよう。

今作では本当に可愛らしさ全開の女優を演じていますが、普段はずぼらで『シンクロナイズドモンスター』の役のほうが自分に近いそうですよ。この映画も女性が活躍する、女性の地位向上を暗に秘めた映画でした。

『シンクロナイズドモンスター』映画感想とネタバレあらすじ。前半は感想で、後半にラスト結末までの全あらすじを載せています。アン・ハサウェイ主演のSFファンタジー。

ローズ・ワイル

©Warner Bros.

演:ヘレナ・ボナム=カーター。
崖っぷちのファッションデザイナー。昔は売れっ子だったが、今は多額の借金を抱え破産寸前のところチームにスカウトされる。弱気でおっちょこちょいで頼りないが、ダフネ・クルーガーの元にスパイとして送り込まれ、「トゥーサン」を着けさせる重要な役割を果たす。

メットガラで着用したドレスはドルチェ&ガッバーナ。

ローズはヘレナ・ボナム=カーターのコメディチックな怪演のおかげで、個性を確立させていますね。

タミー

©Warner Bros.

演:サラ・ポールソン。

子持ち主婦の盗品ディーラー。自宅のガレージに大量の盗品を置き、売りさばいている。昔の仲間デビーにもっと稼げると説得されチームに入る。

タミーは一見おしとやかな主婦だが、3Dコピー機を持ってきたり、スタッフとして潜入したり、やっていることは恐ろしく大胆不敵。知的で器用なのでチームの何でも屋さんの役割だ。マット・デイモン演じたライナスの立ち位置。

メットガラで着用したドレスはプラダ。

ナインボール

©Warner Bros.

演:リアーナ。
東海岸最高の天才ハッカー。昨今の犯罪映画ではハッカーは欠かせない。ハッカーはセキュリティを破ったり、監視カメラを操作したり、ありとあらゆる重要な役割を果たす。ナインボールがいなければ、デビーの作戦自体が立ち行かなかっただろう。

メットガラで着用したドレスはザック・ポーゼン。

ナインボールを演じたリアーナは世界で最も売れている歌姫のひとり。「メットガラの女王」と言われるほど毎年祭典に参加しています。そんな彼女が今作ではツナギを着て、地味なファッションでハッカーを演じているのも見所。

アミータ

©Warner Bros.

演:ミンディ・カリング。

宝石を精確に分解するジュエリー職人。デビーの昔からの友人。口うるさい母親の元を離れたい為、チームに入る。婚活中であり、恋人探しアプリを使っている。ラストではアプリで出会った男性とデートしている様子も。

メットガラで着用したドレスはナイーム・カーン。

アミータを演じたのはコメディエンヌでもあるミンディ・カリング。

コンスタンス

©Warner Bros.

演:オークワフィナ。

ストリートファッションに身を包む凄腕スリ師。その驚くべきテクニックにより、時計や財布などあっという間にスルことが出来る。

メットガラで着用したドレスはジョナサン・シンカイ。

演じたオークワフィナは、アジア系アメリカ人のラッパー、俳優。アジア系俳優で固め全米で大ヒットした映画『クレイジー・リッチ!』や今作の共同脚本を担当したオリビア・ミルチ初監督作『エンド・オブ・ハイスクール』にも出演。



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ネタバレあらすじ

犯罪ドリームチーム

©Warner Bros.

仮釈放の面接で良い子を演じたデビー・オーシャンは出所後、早速詐欺を行い、高級ホテルに無銭宿泊。

兄ダニーが眠る墓を訪れた後、相棒のルーに会いに行く。

墓で現れたルーベン(エリオット・グールド)は、前オーシャンズ・シリーズにも登場する主要キャラです。

デビーはルーに、刑務所にいた5年8ヵ月12日間で練りに練った強盗計画に乗らないかと誘う。それはメトロポリタン美術館で行われるファッションの祭典メットガラで、1億5千万ドルの価値があるカルティエのジュエリー「トゥーサン」を盗む計画だった。

「トゥーサン」をターゲットの女優ダフネ・クルーガーに着けさせる為、二人はまず、ダフネが以前ファンだったファッションデザイナーのローズに会いに行く。

ローズは借金まみれで窮地に陥っていたので、仲間に誘うとすんなりと計画に乗った。

次に、ジュエリー職人のアミータ、天才ハッカーのナインボール、凄腕スリ師のコンスタンス、盗品ディーラーのタミーを仲間に加え、犯罪ドリームチームが出来上がった。

チームはまず始めに「トゥーサン」のレプリカ(複製)を手に入れる為、特殊な眼鏡で「トゥーサン」をスキャンし、データを3Dコピー機に転送させることに成功。ジルコニウム製のレプリカを作った。

そして、ダフネの元に送り込まれたローズは、メットガラで「トゥーサン」を着用することの同意を得る。

また、メトロポリタン美術館の防犯カメラに侵入する為、デビーはバンクシーっぽい絵画を
美術館に置いた。翌日これはニュースとなり、美術館はセキュリティーシステムの変更を決定。

ナインボールがシステムをハッキングし、館内の防犯カメラの位置をずらし、アリバイ用の死角を作ることができた。

ちなみに、このバンクシーの絵は『デラウェア川を渡るワシントン』のパロディです。絵画の人物が全部女性に置き換わっていますね笑。

一方、メットガラのスタッフとして雇われたタミーは、デビーの仇クロード・ベッカーとダフネを接近させる事に成功する。

作戦決行

©Warner Bros.

メットガラ本番当日。

豪華絢爛なセレブたちが続々と到着する中、ダフネも「トゥーサン」を装着し、ベッカーと共に会場入り。オーシャンズチームもそれぞれの持ち場にスタンバイする。

パーティーが進み、薬を入れた料理がダフネに配られる。勢いよくスープをたいらげたダフネは案の定、気分が悪くなりトイレに駆け込んだ。

そこで、コンスタンスがダフネを介抱するフリをして「トゥーサン」を盗む。

「トゥーサン」は食器とともに運ばれ、皿洗い係のアミータの元へ。アミータはすぐさまネックレスの分解作業に入った。

会場では「トゥーサン」が紛失したことで会場は封鎖され、参加者たちが警備員に誘導されていた。

警備員がアニータが作業しているトイレをチェックしようとした時、タミーが「見つかった!」とトゥーサンのレプリカを差し出し、警備員は戻った。

分解された本物の「トゥーサン」はチームメンバーに配られ、それぞれパーティー会場を後にした。

今作では作戦を邪魔する敵役が存在しないので、あっという間に作戦が成功するのが特徴です。

ラスト結末

©Warner Bros.

計画は成功した。

しかし、カルティエの金庫に戻った「トゥーサン」が偽物だとばれ、保険会社の調査員ジョン・フレイジャー(ジェームズ・コーデン)が調査に乗り出す。

フレイジャーがダフネに聞き込みを行った際、デビーの写真を見せたことにより、ダフネにデビー達が宝石を盗んだことがばれてしまう。

勘のいいダフネは、ローズが怪しい行動をしていた時から実は気づいていた。ダフネを敵に回すのを避けるため、デビーはダフネをチームに加える。

さらに昔なじみのフレイジャーと取引し、クロード・ベッカーを嵌めることで合意した。

チームの一員となったダフネは、ベッカーの家に「トゥーサン」の一部を置き去り、警察に通報した。

こうしてベッカーは捕まり、デビーは復讐を果たした。

ラストにサプライズとして、デビーとルーはメットガラで展示された宝石を全部盗んでいた事を告白。それには元オーシャンズのイエン(シャオボー・チン)の協力もあった。

ちなみにイエンの協力により、計画に加担した人数は「8」人ではなく「9」人になっています。

結果として分け前は、一人3830万ドル(約42億円)となった。

最後にデビーは兄ダニーの墓を再び訪れ、祝杯を上げながら「見せたかったな」とつぶやいた。終わり。

ラストのデビーの服装(黒のタキシードと蝶ネクタイ)は、『オーシャンズ11』のラストでダニーが着ていた服装と同じ格好です。

ダニーは死んだのか?

ダニーは果たして本当に死んだのか、気になった人は多いと思います。

結論から言うと、ダニーは多分死んでいません。

コンスタンスとの会話で「お兄さん死んだの?」と聞かれたデビーが「No」と答えているのが根拠です。

ダニーは詐欺師だってことを忘れちゃいけません。何らかの理由で死を偽装してると思いますよ笑。

まとめ

見ての通り、女性が大活躍する映画が『オーシャンズ8』です。

「#MeToo」運動から始まった改革のうねりにより、いまハリウッドは変わりつつあります。映画界の男性中心のジェンダーバイアスは、ようやく改善の方向へ舵を切り始めました。

『オーシャンズ8』は「Metoo」運動のもっと前に企画されていたので意図されたものではありませんが、その流れに乗れたことは必然だったと思います。

最近は女性ヒーロー物も沢山出てきていますし、これからはもっと女性が活躍する映画、それが当たり前となる映画が増えていくでしょう。

男性ばかりが活躍する映画時代は終焉を迎え、その歴史的転換点の代表作として必然的に生まれた映画が『オーシャンズ8』なんじゃないでしょうか!

『オーシャンズ8』は今すぐコチラでご覧になれます↓

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