『ザ・サークル』ネタバレ感想と評価 SNSを皮肉ったサスペンス!


映画『ザ・サークル』予告編動画

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『ザ・サークル』作品情報

2017年アメリカ映画(原題:The Circle)。
デイブ・エガーズの小説『ザ・サークル』をジェームズ・ポンソルト監督によって映画化したサスペンスドラマ。『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソンと名優トム・ハンクスが共演。他キャストに『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジョン・ボイエガ、カレン・ギラン、ビル・パクストン、エラー・コルトレーン、ベックなど。

『ザ・サークル』あらすじ

世界一のシェアを誇るSNS企業「サークル」に勤めることになったメイ(エマ・ワトソン)。サークルの経営者ベイリー(トム・ハンクス)は、オープンでシェアし合う社会を理想としていた。ある日、新サービスが発表され、メイは自らの24時間をネットワークで全世界に公開するモデルケースに選ばれる。すぐさまメイは1,000万以上のフォロワーに注目されるようになるが…。

『ザ・サークル』ネタバレ感想・評価

SNSを題材にした映画『ザ・サークル』を観賞しました。原作の小説は大ベストセラーになっている話題作です。

巨大SNS企業「サークル」に勤める新人女性が24時間監視されるプログラムに参加することになる。という設定だけ聞くと、かなり面白い映画だと思いますよね。

現代SNS社会の闇に鋭く切り込んだ問題作!と言いたいのですが。

ところがどっこい、映画の出来としてはあまり良くありません。

面白くないってことはないのですが、全体的にイマイチな仕上がりになっています。設定が良いだけに、非常にもったいない気がします。

なんでイマイチなのだろうと考えた結果、いくつかの原因が見つかったので、それをシェアしたいと思います。シェアがこの映画のキーワードなんですね。

1 主人公にまるで共感できない

ひとつに、主人公メイに感情移入できるところがなかった事があげられます。

映画を観ればわかるのですが、メイの考え方や行動にかなりの違和感を覚えるはずです。この娘何がしたいんだろうって。

メイもはじめは、会社のやり方に驚きつつも、流されて仕方なく行動していました。会社に少し不審を抱いていたけど、カヤック事件の後突然、会社のために溌剌と行動しだします。カヤックが転覆して溺れかけたのだけど、会社のカメラのおかげで助かった事件です。

会社の監視カメラに助けられたからって、24時間監視されることを望むなんて、ちょっと動機としておかしくないですか?全然説得力のない理由です。

家族が傷ついたり、元カレを失っても、彼女にはあまりダメージがないように感じました。

メイは基本的に、良い事に使えるなら、プライバシーを全て曝け出しても大丈夫って考え方です。まずそこに賛同できる人は、ほとんどいないでしょう。

最後まで、何を考えているのかよく分からない主人公でした。

2 タイがまるで役にたっていない

キャラクターのひとりに、「トゥルーユー」の開発者であるタイというエンジニアがいます。

このタイの描き方が、非常に雑なのです。

メイの味方という立ち位置なのですが、ほとんど役に立っていません。物語のカギを握る重要人物のはずなのですが。。。

最後に一瞬役に立ちますが、それだけです。

あとはボーッとしたり、あわあわしています。



3 ラストがよく分からない

ラストは本当によくわかりません。誰もが首を傾げると思います。

最後は、経営者のベイリーに仕返しするのですが、え?それだけ?え?という感じです。
呆気にとられてしまいました。

何かもっと大きな企み、例えばSNS社会のシステム全体に鋭いメスを入れるような提案があると思ったのですが、そんなものはまるでありませんでした。

そして途中でメイが会場を後にしたので、本当に唖然としました。
なんじゃこりゃって。

まとめ

この映画で評価できるところは、SNS社会を皮肉たっぷりに描いている事ですね。冗談なのか本気なのか分からないくらい、この「サークル」って企業はかなり異質な集団です。

映画では独自のSNS用語が使われています。
「シーチェンジ(see change)」「トゥルーユー(true you)」「ソウルサーチ(soul search)」など。

「サークル」は、ユーチューブとフェイスブックを足したような企業でしょうか。

この会社がどう異質なのかは映画を観れば分かりますが、簡単に言うと、プライバシーや人権がないコミュニティーを形成しています。

全体主義で、すべてをシェアしなければならず、秘密は許されません。

経営者のモットーが「オープン&シェア」なので、それに従って全社員がプライバシーを曝け出しているっていう、おぞましさです。でもコミュニティーの中ではそれが当たり前なので、誰も疑問を持ちません。外から見るとすごく滑稽であるのに。

カリスマ経営者の下、疑問を持つことは許されず、自分たちの正義を押し付け、部外者を攻撃する。

こんな感じで、現代SNS社会をすごく大袈裟に皮肉っているところが面白かったです。

映画『ザ・サークル』の全体的な感想としては、イマイチでした。もっとスカッとする終わり方にしてほしかったなあ。

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