ソマリア紛争を描いた映画『ブラックホーク・ダウン』


『ブラックホーク・ダウン』予告編動画

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『ブラックホーク・ダウン』作品情報

2001年アメリカ映画。
ソマリアで実際に起こった「モガディシュの戦闘」を描いた戦争映画。ブラックホークは当時のアメリカの最新鋭攻撃ヘリである。監督は巨匠リドリー・スコット。出演ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、サム・シェパード、オーランド・ブルーム、トム・ハーディ他。

『ブラックホーク・ダウン』あらすじ

1993年、泥沼化する内戦を鎮圧するためソマリアに兵士を派遣したアメリカ。敵対するアディード政権の本拠地への奇襲作戦を決行するため特殊部隊を投入した。作戦はものの1時間足らずで終了するはずだったが、敵の思わぬ逆襲に遭い、ヘリコプター“ブラックホーク”が撃墜されてしまう。敵の最前線で孤立する兵士たち。やがて、救助に向かった2機目も撃墜されてしまう。その間にも、兵士たちは必死に応戦するが、一人また一人と仲間が倒れていく…。

『ブラックホーク・ダウン』感想・評価

1993年ソマリア内戦に介入した米軍による首都モガディシュへの作戦中、ゲリラのRPGによる急襲を受けた戦闘ヘリ「ブラックホーク」が2機撃墜された。

米国陸軍レンジャー部隊のアーロン・A・ウィーバーは、ゲリラ地帯に放り出された仲間の救出に向かった。その「モガディシュの戦闘」を描いた作品が「ブラックホーク・ダウン」である。

最終的にこの地上戦で米軍兵18人、ソマリア人300人以上が死亡した。先日ソマリアで米軍の兵士が作戦中戦死したが、ソマリアでの米軍の戦死者はこの「ブラックホーク事件」以来である。

この映画は、感傷にひたる余地のない、ただの戦争映画である。劇中の戦闘は激しくすさまじい。リドリー・スコットが描く市街地での戦闘シーンは強烈にリアルなので、大画面で観ることをお勧めしたい。

国レベルでは、アメリカはあっちこっちの紛争に首を突っ込む戦争の張本人だが、一介の兵士レベルでは、仲間を救うため闘う正義感の強い兵士たちがいる。

このギャップがアメリカという国の面白いところであると思う。そしてその美談を映画の題材として扱い、国の絶好のプロパガンダに利用する。

「ブラックホーク・ダウン」はソマリアの首都モガディシュでの激しい戦闘をひたすら描いた記録映画といってもいい。

リドリー・スコットは、そこにお涙頂戴の感傷劇をはさむことなく、戦闘の激しさと虚しさをただ描いた。だから、この映画を観ても残るものは何もない。そこにあった事件をただ目撃するだけである。

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