『消されたヘッドライン』感想と解説 ネタバレなし


「消されたヘッドライン」予告編

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作品情報

2009年アメリカ・イギリス映画。(原題: State of Play)
イギリスBBCのテレビドラマ『ステート・オブ・プレイ~陰謀の構図~』をハリウッドでリメイクしたポリティカル・サスペンス。監督は『ラストキング・オブ・スコットランド』のケヴィン・マクドナルド。「グラディエーター」のラッセル・クロウを主演に迎え、ベン・アフレック、レイチェル・マクアダムス、ヘレン・ミレン、ジェフ・ダニエルズなど豪華キャストが名を連ねる。

『消されたヘッドライン』あらすじ

ワシントン・グローブ紙は国会議員と亡くなったある女性のスキャンダルとは別に、同じ日に起きたもう一つの殺人事件との奇妙な関連性を発見する。敏腕記者カル(ラッセル・クロウ)は、編集長(ヘレン・ミレン)に渦中のコリンズ議員(ベン・アフレック)と接触するよう言われる。やがて彼の調査は思わぬ事件の真相に迫っていき…。

『消されたヘッドライン』感想レビュー・解説

「消されたヘッドライン」は簡単に言うと、ジャーナリストのお話です。

この映画、面白いんですよ。なにが面白いかというと、敏腕記者が取材を重ねるうちに巨大な陰謀に気づいていく、というよくあるパターンなんですが、見せ方が上手なので面白いんです。

ジャーナリズムの内側を描いています。記事になっていく過程というのをきちんと見せてくれるので、なるほどと勉強になります。

記者っていうのは独自の情報網があるんですね。コネとか内通者とか。そういうルートを持っていて、そこから情報を仕入れるんですね。そして取材にいって、確認をとって、それらを繋ぎ合わせて初めて記事になります。

時には情報源が嘘を言って、それに振り回されたりもします。その辺に気づくかどうかが、ジャーナリストの腕の見せ所なのでしょうか。

この映画でも、最後に主人公のカルがある重要なことに気づき、どんでん返しになります。

しかし個人的な感想としては、あのラストのサプライズは全くいらなかったと思います。あの部分で一気に、興ざめしてしまいました。ザ・ハリウッド映画になってしまった。あのラストは映画を一瞬で壊してしまった感があります。

コングロマリット、軍産複合体というんでしょうか。巨大民間傭兵会社と政府の癒着というアメリカ社会の闇に鋭く迫っていたはずなのに、ラストがすべてをぶち壊してしまった。

巨大利権×ジャーナリズム、という視点は崩れ、なんだただのハリウッド映画か、まで落としてしまったのは非常に残念でなりません。

最後までこの視点を崩さなければ、『スポットライト』のようなジャーナリズム映画の傑作になったかもしれません。配給会社のさらに上の指示かと疑いたくなるほどです。

その辺りはさておき、娯楽映画としては充分楽しめるので、観てもいいんじゃないでしょうか。ラッセル・クロウの演技が相変わらずとてもうまいです。

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