『スリーデイズ』感想と評価 寡黙な夫の正義への執念を描く快作!


「スリーデイズ」予告編映像

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作品情報

2010年アメリカ映画。(原題:The Next Three Days)。
2008年のフランス映画『すべて彼女のために』をハリウッドがリメイクしたサスペンスドラマ。主演のラッセル・クロウの熱演が光る。監督は「クラッシュ」のポール・ハギス。共演エリザベス・バンクス、リーアム・ニーソン、オリヴィア・ワイルド。

あらすじ

大学教授のジョン(ラッセル・クロウ)は妻子と共に幸せな日々を過ごしていたが、ある日妻のララ(エリザベス・バンクス)が殺人の容疑で逮捕される。それから3年、ジョンは妻の無実を証明するため懸命に奔走していたが、覆ることなく刑が確定してしまう。絶望した妻が獄中で自殺を図ったことを知り、彼は自らの手で妻を取り戻そうと決断する。

感想・レビュー

「約束する。君の人生を取り戻す」

「スリーデイズ」は、フランス映画「すべて彼女のために」のリメイク作品です。元のフランス映画は観ていないですが、この映画はとてもスリリングでなかなか面白い作品でした。

最初から最後まで切迫した緊張感があり、ドキドキしながら観ました。

物語は、妻が殺人容疑で捕まってしまった教師の話です。妻が殺人容疑で捕まるなんて日本ではあまりないことですが、アメリカの場合、一般人でもあり得るから怖いところです。

アメリカは冤罪がとても多い国で、25年間で1300件もあったというデータがあります。

妻が殺人容疑で捕まった場合、あなたならどうしますか?妻の無実を信じるあなたは。

主人公のジョンは、妻の無実を晴らそうと手を尽くしますが、結局妻の有罪が確定してしまいます。控訴も破棄され、長い間刑務所で過ごさなければならなくなりました。

そんな折、妻が獄中で自殺未遂を起こし、ジョンも精神的に追い詰められていきます。

とうとうジョンはある一大決心をする。それは妻を脱獄させること。有名な脱獄囚に話を聞き、危険な目にもあいながら、ジョンは着々と脱獄計画を遂行していく。

その姿に、執念に取りつかれた男の圧倒的な気迫を感じました。絶対に妻を脱獄させるんだという、恐ろしいほどの決意です。法律なんてクソくらえ!俺は俺の正義を貫く。という狂気じみた執念。

いつしか観客は、この男の執念に圧倒され、このとんでもない脱獄計画が成功してほしいと願うようになる。彼は自分の正義を貫くため、この計画を実行に移す。

この映画は脱獄実行までの描き方が非常にうまいです。ジョンは失敗ばかりで、とてもじゃないけど脱獄が成功するとは思えません。お金も尽きてくるし、妻は他の刑務所に移送されることが決まるし、孤立無援で万事休すです。そこからの怒涛の展開が、とても面白かったです。

またラッセル・クロウの熱演が素晴らしかったです。

ジョンは寡黙で静かな男なのだけど、その内側に眠る病的な執念を見事に演じていました。ラッセル・クロウの静かな気迫に圧倒されてしまいました。

「スリーデイズ」はアメリカの社会問題を背景に、正義とは何かを問う、優れたエンターテイメントでした。

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