『コラテラル』ネタバレ解説と感想 ただのアクション映画じゃない!


映画『コラテラル』予告編動画

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『コラテラル』作品情報

2004年アメリカ映画(原題:Collateral)。
「ヒート」のマイケル・マン監督がトム・クルーズを悪役に迎えておくるクライムアクション。コラテラルは「付随する」という意味で、本作では従犯を意味する。出演トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミス、マーク・ラファロ、ハビエル・バルデム、ジェイソン・ステイサム。

『コラテラル』あらすじ

舞台はロサンゼルス。タクシードライバーのマックス(ジェイミー・フォックス)は今日も車を走らせていた。空港で拾った乗客は美しい女性検事(ジェイダ・ピンケット=スミス)。彼女との会話が弾み上機嫌になったマックスは、彼女にモルディブの写真を渡す。お礼に彼女から名刺を貰うのだった。次に乗せた客は銀髪の紳士ヴィンセント(トム・クルーズ)。何故か彼に気に入られ、700ドルを渡すから5か所を一緒に回ってくれと頼まれる。それを了解したマックスは、5か所を回るためタクシーを走らせるが…。

『コラテラル』ネタバレ解説と感想

前半に感想、後半にラスト結末のシーンを解説します(ネタバレ)。

『コラテラル』はタクシー運転手が暗殺者を客として乗せてしまったために、色々な騒動に巻き込まれる話です。

トム・クルーズが冷酷な殺し屋に徹していて、ヒーローじゃないトムを見れるのはなかなか珍しいんじゃないかな!?トーム・クルーズだと、関係のない人をバンバン殺しても、相手の方が悪いんだと感じさせてしまう、すごい男です。悪人が善人に見えてずるいのでやめてください笑。

あと地味に配役が豪華な作品です。オープニングでジェイソン・ステイサムが一瞬出るし、麻薬組織のボスはハビエル・バルダム、刑事はマーク・ラファロ。

感想として『コラテラル』は単純に面白くて良い映画です。アクションもストーリーも楽しめるし、キャラも立っているし、地味だけど良作だと思います。特に伏線の回収の仕方が非常に見事。アメリカの映画学校で使われる脚本家用テキストにも「コラテラル」は模範的な作品のひとつとして載っています。

この映画ただのアクション映画じゃないんですね。

タクシー運転手のマックスはいつでも逃げれただろ的なツッコミ視点だけで観てしまうのは非常にもったいない。この映画の視点はそんな所にありません。リアリズムを追及しているわけではありません。

この映画はタクシー運転手のマックスが、暗殺者という困難を通して、人生の教訓を得る話なのです。



マックスという男はタクシードライバーですが、リムジンサービス会社を立ち上げる夢があります。彼にとってタクシー運転手は仮の仕事。夢を叶えるための通過点。そしていつの間にか12年が過ぎた。仮の仕事と言いながら12年もやっている。そのことを殺し屋のヴィンセントに指摘される。

「お前は本気でやろうとしてない。そのまま年を取って気づいたら老人になる」

一方ヴィンセントは、暗殺者としての仕事を忠実に素早くこなす。思ったことはすぐに行動に移し、それをやり遂げる男。

以上の事から、
マックスは「目標に向かってリスクを避けながらのんびりと行動するタイプ」
ヴィンセントは「目標に向かってリスクを取って素早く行動するタイプ」
この両者の性格は完全に正反対。

正反対だからこそ、ヴィンセントは人間くさいマックスに惹かれたのかもしれない。逆にマックスは、ヴィンセントの男らしい行動に少し憧れたのかもしれない。

マックスは皮肉にもヴィンセントから人生の教訓を学びました。失うものなんかない。やりゃいいんだ!って。リスクを恐れないで、一歩踏み出す勇気。事件に巻き込まれただけじゃなく、考え方も巻き込まれた。

だからマックスは、この困難(ヴィンセント)を乗り越えるため、自分で決着をつける。自分の困難は、自分で立ち向かう。マックスがようやく男として自立した瞬間です。

ラストで素人のマックスが、プロの殺し屋ヴィンセントとの撃ちあいに勝ったのは、銃の性能が違ったことと、ヴィンセントのクセが関係しています。

タクシーがひっくり返った時、マックスはヴィンセントの銃を拾っています。一方ヴィンセントの銃は、警備員から奪った銃。性能の違い(貫通力)が出た。また、ヴィンセントは胸に2発と頭に1発撃つクセがあるので丁度ドアに被った。ということです。

なんにせよヴィンセントはLAの街(暴力と無関心)を具現化したような、夢か現か分からない存在。マックスはその困難から教訓を得、それを乗り越えたのでした。

このように「コラテラル」は、ただのアクションじゃなく、前向きな人生の教訓映画です。

トム・クルーズがいちいち名言を吐くので、そこも見どころです!

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