『ビフォア・サンセット』ネタバレ感想評価 ラストの解釈


映画『ビフォアサンセット』予告編動画

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『ビフォア・サンセット』作品情報

2004年アメリカ映画(原題:Before Sunset)
リチャード・リンクレイター監督の「ビフォアサンライズ」の続編。会話を中心に男女の恋愛を描くラブストーリー。前作から9年経った主人公たちのその後を描く。
主演イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー。主題歌ニーナ・シモン「Just In Time」。第77回アカデミー脚色賞にリンクレイター、ホーク、デルピーの3人がノミネート。

『ビフォア・サンセット』あらすじ

9年前、運命的に出会ったアメリカ人のジェシー(イーサン・ホーク)とフランス人のセリーヌ(ジュリー・デルピー)はウィーンで一晩を過ごし、半年後に再会する約束を交わし別れる。それから9年。再び出会ったジェシーとセリーヌはたくさんの想いを語り合いながらパリの街を散策する…。

『ビフォア・サンセット』ネタバレ感想評価とラストの解釈

すべての男女のための85分。
「ビフォアサンライズ 恋人たちの距離」から9年後の恋人たちの姿を描いた恋愛映画『ビフォア・サンセット』。前作と同じく男女の会話を中心に描かれています。

映画内の時間進行は、現実の時間とほぼ同時進行になっています。時間にすると夕暮れまでの85分間の出来事。移動距離は再会したパリの本屋から、セリーヌ(ジュリー・デルピー)の自宅まで。

ロケ地も本屋、カフェ、植物園、セーヌ川、ノートルダム大聖堂とパリの街をそのまま使ってますので、二人が歩いた道を辿るロケ地巡りも楽しいと思います。

その間ずっと会話、会話、会話。でも飽きない、楽しい。9年ぶりに再会した二人の言葉が溢れ出る。幾多の言葉を交わしながら、知りたいことはたった一つ。お互いの気持ち。

二人が再会した本屋はシェイクスピア・アンド・カンパニーという歴史ある有名な書店です。「ミッドナイトインパリ」にも出てくる書店で、ヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルド、ジェイムズ・ジョイスなどが多くの日々をここで過ごしたことでも知られており、今や文学の聖地になっています。

前作「ビフォア・サンライズ」はジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」の影響を受けていることから、再会の地がここになったのでしょう。

『ビフォア・サンセット』の個人的な感想としては、とても好きな作品です。やはり前作への想い入れがある人には特別な作品になるだろうと思います。そういった特別視を無視したとしても、二人の会話はすべての男女に共通するものであり、充分楽しめると思います。海外の評価もなかなか良く、アカデミー脚色賞ノミネート他、数々の賞を受賞しています。

前作でもイーサン・ホークとジュリー・デルピーは脚本に参加していたのですがクレジットされなかったので、本作ではきちんと3人の共同脚本となっています。

脚本は二人の経験を基に書かれている部分が多く、この逸話が面白い。何故なら主人公のジェシーは小説家という設定ですが、イーサン・ホークも小説を出版している。ジェシーは結婚していて奥さんと上手くいってない。ホークもこの映画の直後にユマ・サーマンと離婚している。という感じで、ジェシーはほぼイーサン・ホークですね。

また、オープニングと部屋とエンディングで流れる曲はジュリー・デルピー本人が作っています。彼女は歌手としてもアルバムを出すなど活動しています。



ジェシーとセリーヌ

さて、ジェシーとセリーヌは9年ぶりに再会しました。

ジェシーは小説家になって本のプロモーションのためパリを訪れていた。そこへセリーヌが会いに来た。というのもジェシーは9年前のあの一夜の出来事を書いた本を出版したから。

再会は意外とあっさりと、やあ元気?驚いたよ。みたいな感じ。でも内心は嬉しくて仕方ない。本に書くくらい忘れられない人なのだから。

セリーヌは再会後すぐに切り出す。あの日の半年後、約束したようにウィーンに行ったのか、と。セリーヌは行きたかったけど祖母の葬式のため、どうしても行けなかったことを悔やんでいた。ジェシーは「行ってないよ」と始めは誤魔化していたけど、問いつめられ、行ったことを白状する。

セリーヌは「え!行ったの!」て笑いながら答えてたけど、内心嬉しくて仕方ないはず。

二人はずっと会話しながら、現状や価値観などを共有していく。9年という時間には、たくさんの想いや経験が詰まっている。「若い時って出会いはたくさんあると思ってる。ほんとはまれなのに」。年齢を重ねた人間にしか言えない名言が飛び出る。

そしてジェシーは告白する。本を書いたのはセリーヌに再会するためだ、と。ジェシーにいたってはセリーヌのことが忘れられず、奥さんの事も愛せずにいた。彼はセリーヌに、あの日来るべきだったと言う。そうすれば人生が変わっていたと。彼はこの9年ずっと後悔の中に生きていた。

セリーヌも、私生活が上手く行ってないことを告白する。ジェシーの書いた本のせいで9年前の自分がいかに純粋で希望に満ちてたか。今の自分がどんなにドライか。恋に情熱を持てないかを語る。

「恋する気持ちをあの一晩で使い果たし、もう何も残ってない」

二人はお互いのありったけの想いを告白するけど、ジェシーは既婚者なので、どうにもならない複雑な感情だけが取り残される。

そんな想いを抱えながら飛行機の出発時間が迫るが、ジェシーはもう少しだけ一緒にいたいと先延ばしにする。そのままセリーヌのアパートに行く二人。

ちなみにセリーヌのアパートの庭でバーベキューに誘う男女は、ジュリー・デルピーの本物の両親。アルバート・デルピーとマリー・ピレです。

ラストの解釈

ジェシーは1曲だけでいいからセリーヌの歌を聴きたいと言う。仕方ないなあとセリーヌが歌う曲「A Waltz For A Night」は、まるでジェシーのことを歌ってるような曲だった。

微笑みながら曲を聴くジェシー。曲が終わっても、もう1曲とリクエストする。そしてニーナ・シモンのCDをかけながら、くつろごうとする。セリーヌは曲に合わせて踊りながら「飛行機に遅れるわよ」と言う。

ジェシーは「分かってる」と言いながらもソファに座ったまま、物語は幕を閉じる。

このラストはあまりにもオシャレすぎて凄く好きです。
この後二人がどうなったかって?

そりゃ、ジェシーはそのまま居座ったでしょう。飛行機はキャンセルして、次の日まで一緒に過ごしたんじゃないでしょうか。セリーヌもニーナ・シモンの曲を聴きながらダンスして、すごくハッピーそうでした。

過ぎた時間は取り戻せないけど「今」楽しい時間がある。その「今」を楽しむ二人の姿を映しながら唐突に終わるラストは、すごく素敵だなと思います。

『ビフォア・サンセット』は前作と違って、大人になった男女の大人の台詞がすごく印象的な作品です。色々な経験を経て、もう若い頃のようにロマンチストじゃないけど、心の奥隅にはその想いを持ちながら、大人の対応をする二人が見てとれます。

続編『ビフォア・ミッドナイト』で更なる二人のその後も、楽しまれてはいかがでしょうか。

前作の記事はこちら

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