「スポットライト 世紀のスクープ」ネタバレ感想解説 実話事件のその後は?


「スポットライト 世紀のスクープ」予告編

スポンサーリンク

「スポットライト 世紀のスクープ」作品情報

2015年アメリカ映画(原題:Spotlight)。
第88回アカデミー賞作品賞と脚本賞を受賞!アメリカの新聞「The Boston Globe」の記者たちが、カトリック教会の醜聞を暴いた実話を基に描くスリリングな社会派ドラマ。「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督、出演マイケル・キートン、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバー、ジョン・スラッテリー、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、スタンリー・トゥッチ。

「スポットライト 世紀のスクープ」あらすじ

新聞社「ボストン・グローブ」のスポットライトチーム、ウォルター(マイケル・キートン)、マイク(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)、マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)たちは、新編集長バロン(リーヴ・シュレイバー)の元、カトリックの神父による児童への性的虐待事件を調査することを持ちかけられるが、調べるうちに驚くべき展開を見せていく。

「スポットライト 世紀のスクープ」感想評価

「スポットライト 世紀のスクープ」はローマ・カトリック教会の聖職者による児童への性的虐待事件を暴いた新聞記者たちの実話です。

「ボストン・グローブ」はボストンで最大の発行部数を誇る伝統ある新聞社で、そこの歴史ある報道班「スポットライト」チームの活躍を中心に描かれています。

「スポットライト 世紀のスクープ」は世界的な評価も高く、見事2016年のアカデミー作品賞を受賞。

作品賞を獲ったことに初めは、うーんと首を傾げたくなりましたが、この事件に歴史的なスポットライトを当てるためにも作品賞を取るに相応しかったと考えを改めました。なぜならこの問題は現在進行形であり、後世の為にも忘れてはならない事件だからですね。

映画としてはTVドラマのようだなあという感想ですが、物語はサクサクと進むし、スリリングな展開で飽きさせません!次々と暴かれる真実にビックリ仰天で、観客も記者たちと共に謎解きゲームに参加している感覚になります。面白いか?と問われれば、かなり面白いと思います。

社会派ドラマだけどコメディチックで、重すぎない描き方は大変良かったです。事件としてはもちろん深刻です。世紀のスキャンダルとして世界中に騒動が広がりましたので。

またマイケル・キートンはじめ、スポットライトチームの個性も良く出ていて各キャラの魅力も楽しめます。個人的にはマーク・ラファロがツボでした笑。ちょっとアホっぽさがあり可愛いです。レイチェル・マクアダムスは言わずもがなキュートですね。ジャケットが似合うなと思いました。

それにしてもこの事件、スポットライトチームの活躍は勿論ですが、編集長のバロンさんの功績も大きかったと思います。彼がはじめにゲーガン事件を調査しろとアドバイスしています。

マイケル・キートン演じたウォルター・ロビンソンなんて過去の自分が書いた記事を忘れてましたからね笑。それだけ人々がスルーしていた事件だったんですね。

さて、ここからはそんな「スポットライト 世紀のスクープ」で描かれた事件の背景を解説(ネタバレ)したいと思います。


スポンサーリンク

ネタバレ解説

カトリックの特徴

カトリック教会はローマ教皇をトップに世界で12億人以上も信徒がいるキリスト教最大の教派。アメリカのカトリック信者は約22%(約7000万人)。アメリカはプロテスタントの方が多いです。

カトリックは歴史が長いのでピラミッド的な階級と独特な教義や儀式があるのが特徴。そのひとつが神父は基本的に独身に限られるということ。生涯独身です。これが大きな問題です。

映画では性的虐待者は司祭全体の6%で、ボストンの場合1500人の神父の6%で90人と推測し、スポットライトチームの調査の結果87人の証拠を挙げています。全体の6%という数字には統計学的な信頼があるのです。心理療法士のサイプはこの問題を精神医学的現象と呼んでいます。

しかも問題を起こした神父は他の教区に転属しただけなので、被害者は膨大な数に昇りました。カトリックの組織的隠蔽システムが長年この問題を隠し続けていました。スポットライトチームは個々の神父にではなく、まさにこのシステム全体に光を当てたのです。

その後

映画のラストで描かれたように、2002年1月はじめてスポットライトの告発記事が出てから、その後600本近い虐待記事を掲載。249人の神父を告発し被害者数は推定1000人以上にのぼります。

この記事の後、虐待が判明した都市も膨大な数に上り、アメリカだけではなく世界的な騒動へ発展したのはご存じの通りです。「ボストン・グローブ」はこの報道によりピューリッツァー賞を受賞しました。

この問題に光を照らしたスポットライトチームとボストングローブに心から敬意を表したいと思います。また映画「スポットライト 世紀のスクープ」の功績も讃えたいです。

ジャーナリストって仕事はなんか羨ましいなあ。良い映画でした!

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

関連記事