『人生はビギナーズ』感想と評価 父がゲイとカミングアウトしたら?


映画『人生はビギナーズ』予告編動画

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『人生はビギナーズ』作品情報

2010年アメリカ映画(原題:Beginners)。
監督・脚本を務めたマイク・ミルズの実体験に基づいたハートフルヒューマンドラマ。75歳で突然ゲイをカミングアウトした父親との交流と自身の恋の行方を描く。キャストにユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ヴィシュニック、メアリー・ペイジ・ケラー、カイ・レノックス。本作で父親役のクリストファー・プラマーが第84回アカデミー賞助演男優賞を史上最高齢で受賞。

『人生はビギナーズ』あらすじ

息子のオリヴァー(ユアン・マクレガー)に、ゲイであることをカミングアウトしたハル(クリストファー・プラマー)。妻に先立たれ、自身もガンを宣告されるが、父は75歳にして新たな人生をスタートさせる。一方、オリヴァーは38歳になっても、内気な性格からなかなか恋をすることができない。しかし父が亡くなった後に仲間から呼び出されたパーティーで、運命の女性アナ(メラニー・ロラン)と出会い…。

『人生はビギナーズ』感想と評価(ネタバレ)

『人生はビギナーズ』は監督マイク・ミルズと父との個人的体験をもとに映画化したハートフルドラマです。75歳にして突然ゲイを告白し、心のままに人生を謳歌しだす父親との交流と自身の恋愛を描いています。

父親役のクリストファー・プラマーの素晴らしい演技と、犬のアーサーの可愛さが見所です。アーサーが可愛すぎるので、ワンコを飼いたくなるでしょう。あ~ジャック・ラッセル・テリア飼いたい。。。

感想として、重たいテーマを微塵に感じさせることなく、コミカルにテンポよく物語が展開するので、面白いわ心暖まるわで、とても良い映画です。

ひとつ難点があるとすれば、主人公が結構ネガティブなところ。そこの共感を得られる人と得られない人で、評価がだいぶ変わってくるかもしれません。

まあ主人公はマイク・ミルズ本人なんでしょうが、彼の後ろ向きな性格は、子供時代が大いに影響しているのでしょう。そのあたりも映画ではコミカルに描かれていて、クスッと笑ってしまいます。なんにせよ監督の思い入れが相当強い作品だと思われます。

『人生はビギナーズ』は主人公オリバー(ユアン・マクレガー)のナレーションとともに物語が進行していくのですが、この描き方がとてもユニーク。歴史と写真をつねに絡めてきます。

なんでオリバーはこんなに歴史を語るんだろうって不思議に思うかもしれませんが、これは父親の死をきっかけに、両親の歩んできた歴史に興味を持ったんですね。

両親が生きてきた時代背景やら社会状況、親はどんなものに影響を受けてきたんだろうとか。遺品を整理していると、ほとんどの人がそういう気持ちになると思います。そういった歴史意識が溢れてきて、壁にラクガキしたりもします。

オリバーの両親は結婚生活44年。母が亡くなった半年後、父が突然「わたしはゲイだ」と告白します。それからというものクラブにいったり、若い恋人を作ったり、心に正直に生き始めます。

この行動をオリバーは温かく見守りながらも、実は困惑しているんですね。じゃあ母との結婚生活はいったい何だったのか。44年間ずっと心に嘘をついてきたのか、と。

オリバーの母親もちょっと変わった人で面白いんですが、ちっとも幸せそうに見えない母の表情を子供のオリバーは感じ取っていました。愛のない夫婦だなと。



そんな両親を持つオリバーにも問題があって、それは恋に非常に臆病なとこ。彼曰く、誰かが僕の性格を作ったと言っています。38歳の孤独な独身オリバーは、せっかく出会った美しいフランス人女優アナとも、その後ろ向きな性格により自ら別れを切り出してしまう。

アナ役のメラニー・ロランはめちゃくちゃ可愛いです。この映画ではヤバイくらい魅力的に映っています。

電話中プッシュボタンで返事する人をはじめてみました笑。あんなことされたら男はイチコロですね。あれは監督の経験談でしょうか。そんな可愛い女性を努力もせず振ってしまうオリバーに対してのブーイングはかなりあると思います笑。

そんな感じで、オリバーの恋と父との想い出が交互に映し出されていきます。交互に描いたのは、父の生き方がオリバーの人生を後押しするきっかけになるからですね。

父ハルの青春時代は、同性愛に対して非常に厳しい時代でした。精神病として扱われていたり、リンチされて殺されたりとか普通にあった時代。

だから父は同性愛を隠さざるを得なかった。母との結婚を機に、同性愛を治そうと一生懸命努めた。それは母の「わたしが治す」という言葉に深い感銘を受けたから。でも治らなかった。オリバーは二人の結婚は間違っていたと思っていたけど、実は父と母は深く愛し合っていたことに気づく。

父と母の愛も真実だし、父の新しい人生もまた真実なのだ。人生はみんなビギナーズ。初心者。誰しも試行錯誤を繰り返しながら、また新しい始まりへと進んで行く。

そんな父の生き方に勇気をもらい、オリバーもまた、臆病だった他者との関係の新たな一歩を踏み出していく。

『人生はビギナーズ』は大切な人との想い出と現在を交互に重ね合わせながら、誰もが持つ心の傷を優しく包みこみ、新しい希望の一歩をそっと後押ししてくれるような、そんな映画です。

疲れた心にきっと癒しを与えてくれることと思います。

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