「追憶の森/The sea of Trees」感想レビュー 男が樹海で出会ったものとは?


「追憶の森」予告編映像

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「追憶の森」作品情報

2015年アメリカ映画。(原題:The Sea of Trees)
『エレファント』などの名匠ガス・ヴァン・サント監督が、優秀脚本「The Black List 2013」に選出された脚本を映画化。『ダラス・バイヤーズクラブ』でオスカーを受賞したマシュー・マコノヒーと、今や国際派俳優となった渡辺謙が初めて共演を果たした人間ドラマ。『21グラム』などのナオミ・ワッツも共演。樹海場面の撮影はアメリカのマサチューセッツ州中部にあるパーガトリー・カムズなどで行われた。

「追憶の森」あらすじ

妻を亡くし人生に深く絶望したアメリカ人男性アーサー(マシュー・マコノヒー)は、死に場所を求めて富士山麓の青木ヶ原樹海を訪れる。その森の奥深くで怪我を負った日本人男性タクミ(渡辺謙)と出会う。アーサーと同じく死のうとして樹海に来たものの考え直し、妻子のところへ戻るため助けを求めてきたタクミと互いのことを語るうちに、二人はこれまでの人生を見つめ直し、生きるため樹海からの脱出を模索する…。

「追憶の森」感想・評価

「追憶の森」ほど、自殺の名所として有名な富士山麓の青木ヶ原樹海を美しく撮った映画はないだろうと思う。そこには樹海独特の禍々しい雰囲気はなく、瑞々しさと優しさが混じり合ったような不思議な空間をガス・ヴァン・サントは作り上げた。

物語はアーサーの回想と、タクミとの会話が中心に繰り広げられる。

死のうと思っていたアーサーはタクミとの不思議な邂逅を通じて、徐々に生きる希望を取り戻していく。

物語の核心にはスピリチュアル的な要素が仕組まれているのだが、オカルトチックな嫌な感じはしなかった。むしろ死んだ存在が、生きることへの希望を見出す重要な存在となっている。

陳腐と言えばそれまでだが、ガス・ヴァン・サントの美しい映像が、陳腐さを感じさせずにいてくれた。

ただ、少し語りすぎなきらいがあった。

「エレファント」のように少年たちの狂気を特に語りもなく淡々と映し出す感じではない。アーサーがタクミに自身の後悔など、説明っぽく語っていたところに少々興覚めした感はある。

樹海の静けさのように、そんなに語らなくても良いと思った。
樹海のほうが、静かでもむしろ多くを語っているようだった。
そこが映画としては少し残念なところだ。

独特の空気感と美しい映像のある良い映画なのに。おしい気がした。
「追憶の森」は、あと一歩で隠れた名作になったのにもったいない。
でも、悪くはない。心に何か来る映画だと思う。

あと渡辺謙の演技は主張しすぎず、とても上手だと思いました。暑苦しさがなかった。マシュー・マコノヒーを引き立てていると感じました。顔は濃いが、日本が誇る名優になったと思います。

映画「追憶の森」を観てその名演技をご覧ください。

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