『ダウンサイズ』ネタバレ感想解説 ミクロな男の結末は?


『ダウンサイズ』予告編動画

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『ダウンサイズ』作品情報

2017年アメリカ映画(原題:Downsizing)。
ファミリーツリー』などのアレクサンダー・ペイン監督・脚本によるコメディ映画。「ダウンサイズ」の意味は小型化。出演マット・デイモン、クリストフ・ヴァルツ、ホン・チャウ、クリステン・ウィグ、ジェイソン・サダイキス、ロルフ・ラスゴード、ウド・キア。

『ダウンサイズ』あらすじ

人口爆発による環境や経済問題の渦巻く世界に驚異の発明が誕生した。それは人間を13センチまで縮小する技術。「人類縮小200年計画」により縮小された人々による街やコミュニティが世界中に増える中、ネブラスカ州オマハ在住の家計に頭を悩ませるポール・サフラネック(マット・デイモン)も妻オードリー(クリステン・ウィグ)と共に、小型化することを決める。夫婦は友達や家族と別れを告げ、小型化した人間達の街ニューメキシコ州のレジャーランドへ向かうのだが…。

『ダウンサイズ』感想評価

ダウンサイズ』はマット・デイモン主演で贈る、科学の進歩によりミニチュア化した人々の世界を描いたSFコメディです。

ブッ飛びの設定で驚かされますが、内容もブッ飛んでいて、スラム、移民、環境、経済問題から終末論まで盛り込んだ壮大なテーマになっております。ふざけているのか真面目なのか分かりません笑。

主人公が住むネブラスカ州オマハはアレクサンダー・ペイン監督の出身地であります。『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』や『アバウト・シュミット』など監督の他の作品でもネブラスカ州が舞台になっており、地元愛の強い人です。

アレクサンダー・ペインはコメディの中にジワッと胸にくる感動を取り込むのが非常に上手で、アカデミー脚色賞を2度受賞している、良作が多い監督です。

『ダウンサイズ』は残念ながらアメリカでは興行的に大失敗していますが、個人的には面白い映画だったという感想です。何しろ物語の広がり方が壮大すぎて、どこか世界を斜めに見ているふざけた感じが好きです。

ただ評価は極端に別れる映画だとは思います。ミニチュア世界は実はあまり関係なく、現実問題の風刺が盛りだくさんなので、ちょっとやりすぎた感はあります。展開のぶっ飛び方が嫌いな人は嫌いでしょう。

また、ノク・ラン・トラン役のホン・チャウが面白くて、つたない英語がツボにはまります。アメリカにいる東南アジア人は大体あんな喋り方なので。本人はネイティブ並に英語ペラペラですよ笑。

ホン・チャウはTVを中心に活躍しているタイ生まれの女優で、『インヒアレント・ヴァイス』にも出演しています。映画出演は『ダウンサイズ』が2作目で、ゴールデングローブ助演女優賞にノミネートされました。

さて、ここからは映画『ダウンサイズ』の解説・考察とキャラクター紹介をあらすじを交えながらしていきたいと思います。

※結末までのネタバレを含むので、観賞後にご覧ください。



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『ダウンサイズ』ネタバレ解説考察

ダウンサイズで受けるメリット

ダウンサイズすることで、王様のような生活を送れます。ミクロ化した分、消費や支出を抑えれるので、資産は現在の82倍になり、プールやサウナ付きの大豪邸に住むことが出来ます。

世界最大の屋内スキー場やレストラン等のレジャー施設、医療も充実しており、働かなくても一生快適な人生を過ごせます。趣味に没頭するのもいいでしょう。もし働きたくなった場合でも仕事は色々あるのでご安心を。

まさに地上の楽園です。あなたもダウンサイズしてみてはいかが?

ポール・サフラネック(マット・デイモン)

どこにでもいる平凡なアメリカ人。仕事は作業療法士。本当は外科医になりなかったが、母の病気の世話のため諦める。いつも流れに身を任せる人生で、ダウンサイズもTVや友達に影響され安易に決めてしまう。

ダウンサイズで幸せを掴めると思ったが、土壇場で妻に裏切られ、自分だけミクロ化し後悔する笑。妻とは離婚し財産も半分持っていかれた為、豪邸からマンションに引っ越し、コールセンターで仕事も始める。ダウンサイズしても結局、以前と変わらぬ生活を送る羽目になる間抜けな男がポール。

ドゥシャンの部屋の掃除婦のノク・ラン・トランと出会い、彼女の義肢を壊したことから、彼女に言われるままその行動に付き添うことになる。トランとの出会いはポールの人生を大きく変え始める。

ノク・ラン・トラン(ホン・チャウ)

ベトナムでダム建設の抗議運動をしていて政府に投獄され、自分の意に反してダウンサイズされる。逃亡しアメリカに密入国した際、感染症にかかり両足を切断した為、義足を使っている。

普段はスラム街に住み、掃除で得た金持ちの家の食料などを、スラムの人々に配給している。教会へ通い、ボランティアをし、仕事もする忙しい日々。しかしポールに義足を壊されたため、代わりにポールに全部やらせる笑。

貧困でも足が不自由でも黙々と人助けをする強い女性がトラン。また、ポールに対して女性的な一面も垣間見せる。

ユルゲン博士から手紙を貰って以来、いつか訪れたいと思っていたノルウェー行きの夢が叶う。

ドゥシャン(クリストフ・ヴァルツ)

ポールの部屋の上の階に住む住人。快楽主義者。世界7つの都市でタバコやキャビア等の闇取引を行っているので裕福である。毎晩パーティーを開きポールを悩ませていたが、ポールがバラを持ってきたため親しくなる。

世界を周り知見を広く持つだけあって、ポールのドジで単純な性格を見抜いている。ビジネスの為、ノルウェーのフィヨルドにある世界で最初のダウンサイズのコロニーにポールたちを連れていく。



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ラスト結末

ポール達はノルウェーのフィヨルドでダウンサイズを発明したユルゲン博士に出会う。

ユルゲンは南極のメタンガス排出など様々な理由から人類の滅亡が迫っていると説き、それに備え、地下に自給自足が出来るノアの箱舟のような巨大な町を建設していた。

ユルゲンや村の人々に感化されたポールは、自分も地下基地に行くとトランに告げる。地下へ行くとトンネルは塞がれ、二度と地上へは戻れない。

「助ける人々は地上にいる。あのアホな穴の中じゃない」と涙ながらに語るトランの説得を聞き入れず、移住の日、ポールは村の住人と共に地下へ向かうトンネルに入る。

しかし間もなくしてポールは、考え直し引き返す。そしてトランの元へ走り、愛を告げるのだった。

後日レジャーランドには、雨の日もスラムの人々に食事を配給するポールとトランの姿があった。終わり。

なぜポールは引き返したのか?

ポールがトンネルを引き返したのは勿論トランへの愛の為ですが、気づくのが遅かったのはポールの性格が関係しています。ポールは母の世話から始まり、ずっと周囲に流されて生きる人生でした。母の世話だから仕方ないって医者の夢を諦める言い訳にもしていました。

ダウンサイズしたのも、大きな家に住みたいと願う妻の為。ポールは優しい奴なんですが、逆に言うと自分がない奴です。というか、平凡なアメリカ人ポールは多くの消費者の代表です(=消費社会への風刺)。

そんなポールがノルウェーで人類にとって価値のある事に出会います。そして地下への移住を決断するのですが、自分の決断だと思っていたそれもまた、ユルゲンなどの周りに流された結果だと気づいたんですね。

11時間も歩くって聞かされて、ようやく気づいたんです。え、面倒くさいな・・・ハッ俺流されてる!という感じです笑。

そうしてやっと初めて自分で決断したのが、トランへの愛を取ることでした。だから最後に「俺はポール・サフラネックだ」と言ったのです。つまりポール・サフラネックの意見=トランを愛してる!です。ポールは本当に面白い奴です笑。

以上、何事にも流されやすい男が、最後に本当の幸せを自分で掴んだ物語が『ダウンサイズ』でした。SFコメディに乗せて、本当の幸せは何かを問う、異色作でした!

アレクサンダー・ペイン他監督作

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