『ビッグ・リボウスキ』感想評価と解説 ハードボイルドパロディ!


映画『ビッグリボウスキ』予告編動画

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『ビッグ・リボウスキ』作品情報

1998年アメリカ映画(原題:The Big Lebowski)
コーエン兄弟監督・脚本のミステリアスコメディ映画。人違いから複雑な誘拐騒動に巻き込まれる男の行方を描く。主演は「トゥルー・グリット」のジェフ・ブリッジス、共演ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーア、スティーヴ・ブシェミ、デヴィッド・ハドルストン、フィリップ・シーモア・ホフマン、ピーター・ストーメア、ジョン・タトゥーロ、ベン・ギャザラ、サム・エリオット。

『ビッグ・リボウスキ』あらすじ

舞台はロサンゼルス。趣味のボーリングに興じながら無職で気ままに暮らす“デュード”こと、ジェフ・リボウスキ(ジェフ・ブリッジス)。彼の家に突然2人のチンピラがやって来る。女房の借金を返せと怒鳴るチンピラに、全く身に覚えがなく呆然とするリボウスキ。その後彼は、同姓同名の大金持ちと間違えられたと気づき、その大金持ちのビッグ・リボウスキの屋敷を訪れるが…。

『ビッグ・リボウスキ』感想評価と解説

多数の登場人物が入り乱れ、特異な視点で人間の滑稽さと不条理を描いたコーエン兄弟のコメディ『ビッグリボウスキ』。

カルト的人気を誇り熱狂的なファンがいる作品で、一部の人たちの間では評価がすこぶる高い映画です。この作品、一回観ただけじゃよくわかりません。2回3回と観て下さい。それでも良く分かりません笑。

何しろ登場人物が多くて、話も進むごとに複雑化していきます。そんな訳の分からなさにハマる人はハマる映画です。

個人的な感想としては、あまり面白いとは思いません。意味不明すぎて、はっきりいってつまらない。登場人物たちの会話も退屈だし、ストーリーも退屈です。楽屋裏のネタみたいな、いちいち説明が必要な映画なので、いい出来とはとても言えません。

『ビッグリボウスキ』は観ていて主人公とその友人にイライラすること必至でしょう。あーなにほんとアイツ。デュードまじ何もしてない笑。

ストーリーを簡単に説明すると、“デュード”ことリボウスキというぐうたら男が、お金持ちのリボウスキさんと間違われて強盗に入られたことをきっかけに、その奥さんの誘拐騒動に巻き込まれていく。お金持ちのビッグ・リボウスキさんに雇われて、私立探偵みたいなことをし誘拐事件を解明しようとするけど、多数の人間が絡んできて事態は複雑化していくという話。

それではここから、この映画は一体何なのか、何が言いたいのかってことを詳細に解説したいと思います。



ハードボイルドのパロディ

コーエン監督も言っているように『ビッグリボウスキ』は、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説の影響を受けています。この映画には、探偵、酒、女、夢、語り口調、ミステリーなど、ハードボイルドの王道要素がすべて含まれています。

ハードボイルドの主人公はきわめて行動的なのが特徴。行動しながら事件を解決していくスタイル。デュードも馬鹿だけどかなり行動的です笑。なので『大いなる眠り』『長いお別れ』などの探偵フィリップ・マーロウのパロディ版と言えます。

ロバート・アルトマンの映画『ロンググッドバイ』の影響が色濃いと指摘する人もいます。『ロンググッドバイ』は傑作なので是非観ていただきたい。エリオット・グールドが最高です。シビれます。

また、ハードボイルド小説は社会的諸問題に対処していくという社会風刺の面があることも特徴です。

なので『ビッグリボウスキ』ではサダム・フセインや退役軍人のウォルターが登場するように、戦争を風刺しています。デュードが戦争の中心で、他の登場人物を国と例えると、お金中心の戦争にごちゃごちゃと色んな国が参戦してくる風刺的側面が見られます。デュードがどこの国かは後で解説します。

ちなみにナレーター(サム・エリオット)を意味ありげに登場させたのは、ハードボイルド小説が一人称の語り口調だから。そのナレーターを作品の中に登場させちゃえっていう監督の遊び心です。

ダシール・ハメットやチャンドラーのハードボイルドは、日本の小説、映画、漫画、アニメなど多くの作品にも多大な影響を及ぼしています。有名どころでは「ルパン三世」「ゴルゴ13」「用心棒」「探偵物語」「探偵はBARにいる」等など。

このようにハードボイルドは今やミステリーの定番となっていて、『ビッグリボウスキ』はそんなハードボイルドのパロディ映画です。



何故デュード?

ジェフ・ブリッジス演じる主人公のデュードこと、ジェフリー・リボウスキ。

自分をリボウスキと呼ぶな、デュードと呼べと言います。ナレーションは「その街と時代にぴったり当てはまる男」「世界でも指折りの怠け者」と言っています笑。

「時代にぴったり当てはまる男」というのは、先ほども戦争風刺の側面があると説明したように、デュードはクウェートだからです(当時の)。

オープニングでデュードが見るTVでブッシュが「クウェート侵略は認めない」と言っていることと、チンピラがデュードの家に侵入したことに対しウォルター(ジョン・グッドマン)が「不当な侵略行為だ」と言ったことが、かぶります。

ウォルターはもちろん事態を混乱させるアメリカです。映画では誘拐事件に乗り込んで、しっちゃかめっちゃかにします。そのデュード(クウェート)を中心に複雑な展開を見せる物語なので湾岸戦争(1991年)を風刺しています。お金持ちのリボウスキ家は財団なのでアラブ連盟でしょうか。アラブのお金中心なので。

さて何故デュードかと言うと、デュードのモデルである映画プロデューサーのジェフ・ダウドのあだ名がジェフ“デュード”ダウドだからです。またロスが舞台なので、カリフォルニアの人々は語尾に”man”の代わりに”dude”をよく使うんですよ。そこからも来ていると思います。”What’s up, dude?”って感じで。

まとめ

最後に『ビッグリボウスキ』をまとめるなら、デュードのラストのセリフ「デュードは耐え抜く(The Dude abides)」の元である次の言葉がよく表しています。

旧約聖書コヘレトの言葉(伝道者の書)1:4。「一つの時代は去り、次の時代が来る。しかし地はいつまでも変わらない(earth abides forever)」

デュードの周りで色んなカオスが起きるけど、デュードは何も変わらずそのままだっていう映画全体を表すにぴったりな言葉です。デュードは変わらずっていうか、何もしてないけどね笑。

『ビッグリボウスキ』はこんなにたくさんの説明が必要な映画なんです。もっと分かり易くて意味が深いっていう映画の方が自分は好きです。

「ロンググッドバイ」と見比べてみるのもいいかもしれませんね。

『ビッグリボウスキ』ブルーレイ

『ロンググッドバイ』DVD

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