映画『ベイビー・ドライバー』予告編
『ベイビー・ドライバー』作品情報
2017年イギリス/アメリカ映画(原題: Baby Driver)。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト監督・脚本による音楽アクション映画。キャスト:アンセル・エルゴート、ケビン・スペイシー、リリー・ジェームズ、ジェイミー・フォックス、ジョン・ハム、エイザ・ゴンザレス、ジョン・バーンサル、スカイ・フェレイラ。
『ベイビー・ドライバー』あらすじ
聴覚障害のあるベイビー(アンセル・エルゴート)は、耳鳴りを消すため常にiPodで音楽を聴く。ベイビーの仕事は逃がし屋。今日も銀行強盗の仲間を逃がす為、銀行の外に停めた車でスタンバイ。仕事を終え、急いで戻る仲間を乗せ、ベイビーは驚異のドライビングテクニックで追手をかわしていくのだった。
『ベイビー・ドライバー』感想評価
前半に映画『ベイビー・ドライバー』の感想と評価。中盤以降は物語のネタバレ解説をしていきます。
天才的な運転技術を持つ若き「逃がし屋(ゲッタウェイ・ドライバー)」の活躍を描いた『ベイビー・ドライバー』は、音楽とカーアクションを融合させた映画です。
題名は、映画のエンディング曲でもあるサイモン&ガーファンクルの「Baby Driver」から取られています。
映画は音楽に溢れ、最初から最後までずっと音楽が流れているのが特徴。80年代から90年代の曲が中心になっており、サウンドトラックもかなりの曲数になっています。
そんな音楽アクション映画『ベイビー・ドライバー』の感想は、つまらなかったです。観賞後、アメリカで絶賛されたと聞いて二度目を観賞しました。それでもやっぱりつまらなかったです。
スタイリッシュな映像?まあ少し。魅力あふれるサウンドトラック?まあ確かに。でもそれだけ。まずストーリーが陳腐。陳腐すぎる。ナッシング。アクションも普通のカーアクション。そして演出もあまり良くない。
音楽とカーアクションのリズムがミュージカルのようにマッチしているから凄いと言うけど、そんな所に力を入れないで、もっと脚本に力を入れろよと言いたい。映画は総合芸術なのだから、ストーリーが陳腐じゃどうにもならない。
音楽と映像だけやりたいならPVで十分じゃない?という感想。PVの中で、車に踊らせとけばいい。自動車のCMで音楽に合わせて踊る車はたくさんある。
アメリカの批評家達はカーチェイス版「ララランド」とか言っているが、エドガー・ライト監督が「それはちょっと違う」と言っているのだから、的を外している。音楽とカーチェイスがあれば喜ぶのかな?
音楽好きのエドガー・ライトは、映画全体で音楽のリズムを刻むという挑戦がしたかったのだろう。ベイビーがいつも身体でリズムを刻んでいるように。そのチャレンジ精神は賞賛するけど、ストーリーで大失敗した感じ。個人的にはアクションでも失敗していると思うけど。
天才ドライバーという設定なのに、それを活かしたカーチェイス場面は2度しかない。いや実質オープニングの1度だけ。2度目はかなりグダグダでシーンも短い。
オープニング以降、ベイビーの天才的運転技術はもう見られない。それは彼の心の動揺を表現しているのだろうが、それなら運転テクの復活シーンをクライマックスに入れるべきだった。そこで観客の期待は一気に爆発したであろうに。勿体無い。
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ネタバレ解説
物語のはじまり
オープニングでベイビーが、曲に合わせて独特のリズムを刻み、驚異のドライビングテクニックを披露する。軽快な音楽、疾走するアクション。ポップなノリでかなり良かった。
なにこのオシャレ系映画!これは面白いだろうって。その後の、音楽にノッて踊りながらコーヒーを買いに行くシーンも良かった。ご機嫌だぜ!
ずっとこの感じで行けばよかったのに、バッツ(ジェイミー・フォックス)が出てきたあたりから、段々雲行きが怪しくなってくる。あれ、あれれれ。映画全体のパワーのトーンダウン。
取引相手を撃ったりして、いつのまにかB級アクションに様変わり。そりゃないぜ。
また、倉庫みたいな作戦会議室で、二度も同じような作戦シーンを描くのもいただけない。画面が退屈してしまう。
あと、組織から抜け出せないって「ジョンウィック」かよ。「ザ・タウン」かよ。
ストーリーは全部、どこかの映画の継ぎはぎをしているようだった。
物語のクライマックス
ドク(ケビン・スペイシー)が急に改心したり、撃ちあったり、この辺りはもうカオスになってくる。
バディ(ジョン・ハム)との対決シーンなんてホラー映画になっていた。ラスボスが何度もしつこいってのはホラーの鉄則。ジェイソンかよ。そうかエドガー・ライトはホラーが得意だった。ゾンビ映画撮ってるもんね。
前述したように、ここでベイビーの驚異のドライビングテク復活を入れて、駐車場の吹き抜けを大ジャンプするくらいしても良かったと思うけどねえ。ジープで押して落とすって。テクはどこいった。
そしてラストは『俺たちに明日はない』だ。
ベイビーに車を盗まれた若者が、ボニー&クライドって言ってるし。
犯罪の責任を取るところまで監督は描きたかったそうなので、最後はきっちり刑期を務めるのは、面白い描写かもしれない。
でも結局、なんの映画だったのこれ?音楽、アクション、クライム、ホラー、恋愛。
『ベイビー・ドライバー』は一言で表せないカオスな映画でした。カオスでも面白ければ問題ないんですけどね。本当のところは、MVとMVの間に適当なストーリーを足しただけ、でした。
最後に『ベイビー・ドライバー』の原型であるミュージックビデオと、挿入歌数曲を載せてますので、お好きな方は是非ご視聴ください!
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『ベイビー・ドライバー』挿入曲
Blue Song/ミント・ロワイヤル
『ベイビー・ドライバー』の原型MV。エドガー・ライト製作。オシャレでカッコイイ。劇中でもTVを観ているシーンで一瞬写る。
Bellbottoms/ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン
オープニングでベイビーが歌っている曲。
Harlem Shuffle/ボブ&アール
オープニングタイトルをバックに、コーヒーを買いに行くシーンの曲。
Debora/T・レックス
コインランドリーでデボラと一緒に歌う曲。
Easy/コモドアーズ
自動車廃棄場で流れる曲。
Brighton Rock/クイーン
バディとの対決シーンの曲。
Easy/スカイ・フェレイラ
ラストのデボラと逃亡する車中で聴くベイビーの母(スカイ・フェレイラ)の歌。
Baby Driver/サイモン&ガーファンクル
エンディング曲。
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